京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

名前のないレシピの話『子どもはレシピ10個で育つ。』レビュー

子どもはレシピ10個で育つ。

とても分かりやすいタイトルの本のご紹介です。

 

料理が苦手でも得意でも、料理は毎日の連続で、子育て期間は約20年続きます。

日々の料理の「負担感」をいかに軽減するか、というのは、育児を安定的に続けるために必要な技術と言えると思います。

hers-web.jp

子どもはレシピ10個で育つ。 (HERS BOOKS)

子どもはレシピ10個で育つ。 (HERS BOOKS)

 

著者の上田さんは、フランスで修業した料理研究家ですが、双子の息子がいます。その双子のための料理を作ってきたナレッジをこの本に詰め込んでいます。

この本のことを知ったのは、写真家の馬場わかなさんのtwitterです。案外に写真が少なくて若干不満ですが、とても素晴らしい写真を撮る方です。この本のオススメポイントの一つです。

以下、内容について触れつつ、オススメどころを紹介します。

基本的に見開きにTipsが一つずつ書かれている構成になっています。

献立についての考察が1/3

料理を長いスパンで考えたときに、重要なのがひとつひとつのレシピよりも献立(計画)の策定です。冷蔵庫のなかにあるもので作る、というのが家庭料理の基本ですが、その中身も補充・収納・管理する必要があり、それらを過不足なく使い切るには、それなりのテクニックが必要になります。

多くの料理本で見落としがちなこの部分を端折ることなく、丁寧に書いています。

そのなかに、「子どもはレシピ10個で育つ」についても触れられています。

 

細かい小技を丁寧に言語化

「油と塩を先に入れる」「困ったらとりあえず肉を焼く」「大きく調理して、食べるときに小さくする」など、細かいTipsがたくさん散りばめられています。というか、今の自分の調理法に近く、そうそうこれ、というものが多かった印象です。

ホットクックを推奨する勝間和代さんの小技もとても合理的なんですが、自分とはかけ離れていて、その感覚はないんですよね。彼女の調理方法を実践する場合、生活習慣そのものからガラリと変える必要があります。

lazyplanet.hateblo.jp

レシピはおまけ

レシピはおまけのように最後にあります。おまけのように、としているのは「必ずしもこれを作れ」というものではなく、「ウチの場合はこうですよ」という参考事例のようなものだからです。

というか、『大きな具材の炊き込みごはん』以外、結構めんどうなレシピが載せてあるので、私にはあんまり参考になりませんでした。

私は、揚げ物系はスーパーのお惣菜で済ませるし、ソース系はハインツの缶を使います。コストコのチーズを合わせれば、とてもおいしいグラタンができます。

ハインツ ホワイトソース290g×4缶

ハインツ ホワイトソース290g×4缶

 

 名前のないレシピ

ここからはウチの夕ご飯のメニューのはなしです。

ご飯とみそ汁

ご飯とみそ汁は、だいたいいつも用意します。

ご飯は朝に予約、みそ汁は20分ほどでメインの料理と並行で作ります。

みそ汁の具材を多めにすることで、一汁一菜でも十分に満足感のある食事になる、というのは土井善晴さんの本のとおりです。 

一汁一菜でよいという提案

一汁一菜でよいという提案

 

みそ汁のためにホットクックを使う、というのはやや贅沢な気はしますが、平行稼働が苦手な人はアリだと思います。

単品サラダ

うちの子は、ほとんど生野菜しか食べてくれないので、ミニトマトをひとつかみして洗って皿に置いたもの、ニンジンやキュウリを短冊状に切って塩を添えたもの、などがサラダになります。所要時間は1分です。

この単品一つ、というレシピはこの本でも紹介されています。野菜を茹でただけのもの、切ってトーストしただけのもの。蒸すのもレンジでOKです。所要時間3分ほどで終わります。

 

単品メイン

メインは、いつもその場で作りながら考えます。

とりあえず、肉を焼く。味付けは作りながら考えます。

(鶏・豚・牛)×(和・洋・中)でバリエーションは様々です。

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とりあえず、魚を焼く。肉が続いたら魚にします。

だいたい鮭・鯖どちらかです。

(※これはサンマですが)

 

肉や魚は、業務スーパーなどで安い胸肉や鮭を買っておいて、味噌・酒・醤油・塩・麹など組み合わせを変えたものをジップロックに漬けておくこともあります。

下味だけで、味の変化が得られるので、毎日食べても飽きません。下味つけてれば夕食時の調理は時短で済むし、おいしさが違います。肉単品で炒めるか、ラップしてレンジだけでもOKです。

(下味をつけてレンジでチンした蒸し鶏です)

具材有りメイン

時間があるときは、肉・じゃがいも・ニンジン・玉ねぎを炒めます。

そのあとカレーになるか、シチューになるか、肉じゃがになるかはわかりません。気分です。カレーと言っていたのに、気づいたら肉じゃがでした、ということもあります。

とりあえず、「なにか」の食べ物になります。

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揚げ物

お惣菜の揚げ物は、レンジ→グリルモードで熱々で外もカラっとするし、余分な脂も抜けます。うちで使っている下記のレンジでは、ボタン一つでレンジであっためた後にグリルができます。

スーパーは調理済みのいわゆる中食市場が伸びていて、自店調理式のおいしい店も増えてきました。安くて手軽なので、遠慮なく利用しています。

揚げ物ではないですが、餃子もうちは冷凍のものを使います。油も引かなくていいのでラクです。普段は味の素餃子ですが、Oisixの冷凍ほうれんそう餃子はとてもおいしいです。

麺類

子どもが喜ぶので、ほとんど「うどん」です。最近はスーパーでもコンビニでも、安くておいしい乾麺が手に入ります。ご飯を炊き忘れたときはたいてい乾麺を茹でます。

具材も乾燥しててOKです。油揚げ・刻み葱・わかめなど。ネギ苦手なので入れませんが。 

www.sagamiya-kk.co.jp

 (※相模屋さんは最近いろいろ攻めてる商品が多くて楽しいです)

チャーハン

うちの子は、納豆好きなので、納豆チャーハンをよく作ります。納豆とごはんを混ぜて炒めて納豆についているタレをかけるだけです。フライパンはこびりつきますが、作り方は簡単です。

この本では、みじん切りがめんどうなので、代わりにすりおろしてみては?と提案されていますが、すりおろしも面倒では?と思います。納豆は初めから細かいのでラクです。

これからの季節は鍋ですね。たぶん、週1でやると思います。味はいろいろあります。

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まとめ

この本は夫婦で共有して読んだのですが、「そもそも、うちも10個くらいしかレシピなくない?」というのが共通の感想でした。

味付けや具材など細かく分類すれば、たくさんあるのかもしれません。ただ、ざっくり手順を分ければ、10通りくらいしかないよね、というところだと思います。ほとんどは、名前もないようなレシピです。

 

料理に苦手意識を持っているのであれば、10通りのパターンを身につければよい、と思えば身構えることもないのかもしれません。

この本の著者も『同じ手順で、違う味』という変化をつけることを楽しんでいるのだと思います。

もちろん、『毎回味が違うのが、嫌』と言う人もいます。その場合は、ホットクックなど標準化できるシステムを導入したほうがいいと思います。

それぞれの家庭にあった家事の最適化ができたらいいですね。

 

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(※トピシュ@tpoishuさんにもブコメでレコメンドさせていただきました。twitterでの言及ありがとうございます…!)