京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

ホットクックのもたらす効果の考察

ホットクックとは?

勝間和代さんのブログ、連日すごい勢いで更新されていますが、そのなかでも話題の一つがホットクックによる調理です。

katsumakazuyo.hatenablog.com

 

ホットクックは、SHARPの製品で、「水なし自動調理鍋」という名前で商品紹介がされています。

www.sharp.co.jp

 

炊飯器などの保温調理器や電気圧力鍋と大きく違うのは、「かきまぜ」ができる、ということです。これによってカレーやシチューなども簡単に作って保温しておける、としう仕組みです。

 

勝間さんは、自炊のほとんどをこれで調理している、とのことです。

もちろん、作れるメニューは限られるので、炒め物系をふだん多く作る家庭にとっては、出番が少ないかもしれません。

 

と、ここまでは、勝間さんのブログを読めばわかることなんですが、

ホットクック導入の面白いところは、火も油も使わないことで、台所がほとんど汚れない、ことだと思いました。

 

台所の汚れのない生活

仮に勝間さんのように、ホットクック、炊飯器、食洗機のみを用いた自炊生活をしたとします。(まな板、包丁などは勿論使いますが)

 

台所に、フライパンも、油も、コンロすら置かないので、平らな台と、シンクさえあればOKです。

まな板で食材を切り、ホットクックに入れてスイッチを入れます。コメを研ぎ、炊飯器で炊きます。サラダを作る場合は、加えて野菜を切って盛り付け、食事。

食事後は、食洗機で洗います。大きな鍋だけは自分で洗う必要があります。

食材に肉を使えば、油汚れは出ますが、汚れるのはシンクのみです。ホットクックでの調理なら、油はねも心配なさそうです。

 

台所の油汚れ、結構厄介です。

コンロ周りはすぐに汚れるので、使用後毎回拭かなければならないし、魚焼きグリルも使用後はもちろん、毎回洗います。(そうでない家庭もあると思いますが)

コンロからそれなりに距離のある冷蔵庫の上は放っておくと油の汚れがこびりついています。そのあたりまで油が浮いていくのだと思うと、台所の上空はかなり油で汚れています。レンジフードは言わずもがな、です。

 

勝間さんは、台所にiPadを据え置き、Boseのスピーカーを置いているそうですが、それも汚れの心配が必要ないからこそ、できることなのでしょう。

katsumakazuyo.hatenablog.com

 

油汚れからの解放は、掃除する手間の時短、というだけでなく、普通なら置けないものも台所に置ける、という恩恵も受けます。このことが、台所という空間を大きく変え得るのではないか、と感じています。

 

時短はそこまでメリットを感じない

正直、ふだんの生活で調理自体にかかる時間って、そんなにかかりません。

手間のかかる料理をしないので、肉や野菜などの食材を適当に切ってフライパンに入れて、調味料で味を洋風か和風か、中華にするか、を決めて整えます。その間に小鍋でみそを溶いて、みそ汁をつくれば、一汁一菜の出来上がりです。

魚を焼くときは、魚をグリルに入れて焼くだけ。煮物は、すぐには出来上がりませんが、作り置きや弁当のおかずなどにする場合に作っておきます。プラスの一品にもなります。

 

 

平日夕方の調理時間は、だいたい10分~15分くらいです。

 

手間かけておいしいものを作りたいときは、もちろんもっと時間をかけて作ります。

そのときは、妻も子どもも一緒に作ることもありますし、何にしようかと考える時間も含めて「料理」自体を楽しんでいます。なので、時短する「調理」とはまた別です。

f:id:lazy-planet:20160804072728j:plain

 

ホットクックも導入すれば、それ自体を楽しみたくなりますが、それを「調理ロボット」として使いこなすまでには、少し時間が必要になりそうです。

 

ホットクックに8、9割方アウトソースすれば、導入の効果もありそうですが、普通に炒め物もするし、ホットクックも使う、というやり方だとその効果は半減するか、もしくは二重運用となって1.5倍の時間がかかる可能性もあります。どんなアウトソーシングにも言えることですが。

 

本当に時短したいなら、ホットクックのみに生きる覚悟が必要になります。

 

台所という空間がなくなる

ホットクックを前提に考えれば、「台所」のイメージが大きく変わりそうです。

システムキッチンは、とても充実した機能を持った家具ですが、もっとずっとシンプルな形で済むかもしれません。

洗い場のほかには、ただホットクックを置くスペースと、食材を切るスペースがあるだけで十分になります。

レンジフードもコンロも必要ないので、そのスペースは縮小できますし、大きな鍋もフライパンもいらないので収納も最低限で済みます。

台所の壁に本棚を作ってもいいでしょう。蒸気には気を付けないといけないですが、油汚れの心配はいらないので、そうしたものも置くことができます。

 

あるいは、空いたスペースに電子レンジや炊飯器をホットクックと並べて置く、というのはとても作業効率が上がりそうです。レンジ台などのキッチン棚も不要になります。

 

排水さえうまくいけば、台所に洗濯機が置いてあってもいいと思います。ほぼすべての家事がそこに集約されるので、さらに効率が上がりそうです。

 

台所、というよりは家の中の「作業場」みたいな感じでしょうか。そうするとやっぱりパソコンもスピーカーも置きたくなります。

 

必要なのは思い切り

先述したとおり、「ホットクックを導入したスマートクッキング」さらには「台所空間の変革」を実現するには、ほぼすべての調理をホットクックで行う、完全ホットクック食でなければなりません。

 

炒め物をするためにフライパンを残していては、省スペースにならないし、コンロの上以外に、ホットクックを置く余剰スペースは(※我が家には)ありません。油汚れからの解放という恩恵も、完全ホットクック食でなければ授かれません。

 

そこまで思い切った食生活の転換ができるかどうか、というのがホットクック導入における最大の壁です。

これまでの調理スタイルを一新し、新しい文化を迎え入れることになります。覚えた料理の技術も一旦ほぼリセットされます。

 

ホットクック自体はそれほど高価なものではないと思いますが、それを導入し最大限に効果が発揮できるように運用するには、これまでの文化を大きく見直し、受け入れる体制をまず整えなければなりません。

あとは運用次第で、相応のコスト削減と効率化が期待できるでしょう。

 

なんだか胡散臭いコンサルみたいな締めになっていますが、要はモノは使い方次第だなぁ、というところで、一方向に吹っ切れるプロの運用方法に改めて感心し、今日も炒め物をします。

f:id:lazy-planet:20160712190401j:plain

油でいためたお肉は旨い