京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

主夫+αのキャリアポートフォリオ

主夫の私ができること

主夫って何ができるの?と聞かれることが多いけど、結局はその人に拠りけりです。

 

その人の生育環境・キャリア・仕事経験が、家庭内の仕事の仕方に大きく影響を与えるからです。

システムが好きな人は、GoogleやSlack、Trelloなど様々なツールでタスク管理・効率化をすると思うし、医療系の仕事に従事していれば、衛生管理分野に強くなり、飲食系であれば料理に強くなります。

FJK(ファザーリングジャパン関西)で知り合うアクティブな父親たちは、そうした本業×父親という文脈でさまざまな活動をしていて、面白いです。

 

ふと、私になにか掛け合わせるスキルはあるだろうかと思ったので(無くてもいいんですが)、自分自身の棚卸しのために書き留めておきたいと思います。

 主に、「家事」「ジョブ」「趣味」という3つの軸で話をします。

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(※なんか怪しいセミナーの広告みたいになってしもうた・・)

1.家事・育児のスキル

料理・洗濯・掃除・修繕・備品管理・書類整理・遊び・習い事・旅行企画・予防接種・子ども書類手続き・自治会・PTAなど、まあ全般できます。

詳しい仕事内容は下記に書いています。

lazyplanet.hateblo.jp

私の家事・育児は、下記に書くような総務系の仕事に大きく影響を受けています。

書類管理や備品管理などのTipsもそうですが、「そこにいる人が本来業務に集中できる環境を作る」という点で家事と総務は似ています。そして、なるべくなら「主担当」がいなくても回る仕組みを作ります。

今、私が会社にいたら、そこらじゅうにアレクサやダッシュボタン、タブレットを散らして置いておくと思います。プリンタの用紙が無い、というだけで総務を呼ぶような会社は嫌です。

少なくとも、子どもが小学校を卒業するまでは、しばらく家事・育児のウエイトは重めになります。それ以降は、子ども自身でできることが格段に増える一方で、思春期特有の悩みなどが発生するため、そうしたときに親としての役割を徹底したいです。

 

2.職業人としてのスキル

スキルの棚卸なので、少しだけ過去の話をします。

一般的なサラリーマンのキャリアとしては、新卒でベンチャーの企画室勤務、その後IT企業の総務人事部という約7年ほどのキャリアがあります。規模的にはどちらも売上高約50億円、人数100~400人程度の中小企業です。

その間、総務人事にまつわる一般事務レベルのことは大概経験してきたと思います。

 

作業的なものだけ挙げれば、社会保険、給与計算など労務全般、採用事務、衛生管理、就業規則改定、登記事務、事業所開設、移転事務、オフィスレイアウト、株式事務、総会対応、持株会、Pマーク対応、設備管理、福利厚生事務、経理仕訳、銀行口座管理、入金消込、振込その他、損保販売、社内イベント、プレスリリース作成、HP作成(委託)、SEO、リスティング・アフィリエイト広告運用…etcでしょうか。

だいたいパソコンと電話があって、字が書ければ、できる仕事です。一つ一つの作業はある程度知識は要りますが、それは覚えるだけです。 それに比べれば、家事のほうがよほど複雑です。

 

その他、「名もなき作業」みたいなものもいっぱいあったと思います。夜の付き合いも非常に多かったです。某議員の選挙応援というグレーなものも。7年間で大概の裏方仕事はやったような気がします。

 

一番長く従事していたのはWeb広告まわりの業務で4年ほど。給与計算は3年ほど。労働強度が高かったのはオフィス移転(と、それにまつわる諸手続き)です。

 

ウェブ広告は、黎明期~勃興期のころで、1年でワード単価が10倍になるような相場を経験できて楽しかったです。リクルートみたいなジャブジャブ広告費を使う企業に、少ない予算でどう戦うか、みたいなとにかく徹底した細かい運用をしていました。基本的に広告業者は大半が外れなので、自社で運用担当者(広告業者の言いなりにならない人)を育てるのがベストです。

 

給与計算は省力化の難しい作業です。正直、嫌いです。RPAもその効果は薄いのではないかと思います。そのあたりの理由は下記に詳しいです。

www.lacras.co.jp

上記記事を要約すると、人事のシステムは一貫性がない、というところに尽きます。タレントマネジメント、給与計算、勤怠管理、採用、交通費・定期・経費管理、健康管理。今はSmartHRさんがAPI連携含めて頑張ってこれらを統合しつつありますが、まだ完全一元化まではできていないのでは、と思います。

 

主夫経験を経て思うことは、「みんな働きすぎ」「無駄な管理多すぎ」です。

家事も手抜きすればいい、という風潮がようやく広まりつつありますが、同じように(仕事を手抜きするという意味でなく)社員を縛らないもっと自由な組織風土が広まっていいと思います。ルールを守るのは、当然として。

それに近い考え方としての自立型組織については、下記のが有名ですね。話半分に読めば、面白いと思います。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

 

 

3.趣味・発信

写真という趣味

「写真」を撮るのは趣味です。

が、せっかくのいいカメラを使わないのももったいないので、最近ボランティアでイベントの写真係しています。会社イベントでも撮っていたのですが、以前のエントリー機では暗い場所での撮影ができず、あまり発揮できなかったので、残念でした。

また、Snapmartなどのストックフォトサイトで、加工してアップして小遣い稼ぎをしています。写真で金になる、というほどの成果はでていません。

今年だけでいえばせいぜい2,3万円ほど。来年にはカメラ代が回収できそうです。そしたら、マクロレンズでも買おう。

 

主夫としての発信

この「ブログ」がメインですが、Slack等での情報共有も少しずつ始めています。

「主夫」と呼ばれる人はよくブログを書いたり漫画を描いたりしていますが、それは主夫がマイノリティであって、ときに誤解されやすい脱落者と思われがちだからこそ、その存在を知ってほしいという思いが強く、それと同時に自分自身も生き方に迷いながら、主夫+αのモデルケースを開拓しているからだと思います。

 

私も経験的には主夫4年目。「主夫」「父親」「働き方」や「育児」に関しては、知見がだいぶ溜まってきているので、それなりに書こうと思えば書けると思います。なぜそれらを発信するのか?といえば、少しでも必要な人に必要な情報が届けられたらいいな、と思うからです。

ちなみにはてなブログpro代は余裕で元取れました。よかった。



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今後のこと

定期的に情報を発信・共有すること

これを続けたいです。もっと主夫的な仕事をする人が増えたらいいな、と思っています。男性が「働く」という以外の生き方も選択できる社会の方が、余裕があってのびのびと暮らせそうだからです。 

個人的には、夫婦で攻守交代できる関係が理想だと思っていますが、それには社会の側も変わる必要があります。今のところ、一旦キャリアを降りた男性がブランク期間を経て再びキャリアコースを積み上げるのは相当困難です。「主夫もキャリアのひとつ」という考えは、それを乗り越えるためのキー概念です。

「仕事を辞めて数年は専業主夫してても、再び同じくらい稼げる社会」が理想です。

 

生活の知恵の共有

同時に、主夫でなくても、仕事で悩んでいる人、「困りごと」を抱えている人、「生きづらさ」を感じている人たちとのつながりを広く持ちたいです。誰かを助けようという高尚なものではなく、お互いの生き方の「面白さ」を共有して、生活の知恵を分かち合えるゆるやかなつながりが生まれたらいいなと思います。

lazyplanet.hateblo.jp

 

一方で、そうした活動はおそらくあまりお金にはならないので、定期的に入る収入というのは、今後もある程度確保したいです。

とはいいつつも体力的にオフィスワークは週20時間程度、プラス在宅が限界です。誇張ではなく、本当に外に出られなくなることがあるからです。外に出られないときはほぼ一日中寝ていますが、それでも家事と育児だけは欠かさずやっています(質は下がるけど)。

それはそれで、そういう稼ぎ方でもなんとか生きていけるというモデルケースを自分でも体現したいです。

 

 

家事と育児という日常だけは、ずっと続くものなので、うまく折り合いをつけながら付き合っていきたいです。それが「主夫」の本業なので。