京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

大津市PTA運営の手引きが見づらいので、一枚にまとめた

大津市のPTA運営の手引き

digital.asahi.com

 内容もまあまともで、なかなか良い資料だと思います。

が、いかんせん資料が見づらいです。下記から詳細がダウンロードできます。

f:id:lazy-planet:20181103141150p:plain

(※手引きをもとに執筆者作成、一部表現の変更有り)

…いや、これも細かすぎて見づらいですね。PDFだと多少読めるかも。

PTAの手引き.pdf - Google ドライブ

【追記】つーか見えねぇ。下記、ほぼ全文です。

任意加入の原則

1.強制加入の問題
概要 PTAは任意の団体であり、その入退会は会員の意思で決められるべきものであるが、本人の意思を確認することなく、また、加入は任意であることを説明せず、子どもの入学に合わせ自動的に保護者が会員になっている。
現状 PTA総会や入学・入園前の説明会で、PTA加入の任意性についての説明は概ねできているが、説明の内容が不十分。
学校の
リスク
総会等で管理職及び教職員が同席しているにもかかわらず、適切な説明をPT
A会長等が行わないまま、自動的(半強制的に)に保護者が会員となることを容認している。(同じ役員・会員として)PTA役員に対し、適切な改善について、協議、指導ができていない。
     
対応策 ◎…理想 〇…最低限遵守 △…改善が必要 ×…違法性が問われる
【明確な意思表示】
PTA会長等が、入学・入園説明会等に、各会員から入会届を取得。
【消極的な意思表示】
入学・入園説明会等において、PTA会長がPTAの必要性と任意性について説明のうえ、「基本的に皆さんに加入していただきたい。何らかの理由があって、加入できない場合は、いつでも反対の意思表示や脱会届けなどにより不加入の手続きをしてください。」と説明。
【会員が意思表示する機会が無い】
PTA加入の必要性と任意性についてPTA会長等が説明のうえ、「皆さん会員になっていただきます。」と説明しただけでは、本人の同意を得たとはいえない。
× 【任意性の説明なし】
加入の任意性の説明をしていない。

 

役員強制

2.役員の強制の問題
概要 役員のなり手がなく、強制的に役員を割り当てたり、出席していない会員に役員を割り当てたり、また、役員免除の理由として、病気や家庭の事情などの個人情報を公開し、審査するなど人権問題になりかねない事態も見受けられる。
現状 半強制的に役員を割り当てる、家庭事情や健康上の理由で役員になれない人に配慮する等を目的に、できない理由書を提出してもらい、多くの人の前で審査している。
学校の
リスク
他の会員のいる前で、家庭の事情や健康上の理由などを述べさせたり、読み上げたりする人権侵害とも言われかねないようなやり取りがなされているにも拘らず、教育公務員は知らん顔(抑止も中止もしない)していると見られる。
     
対応策 ◎…理想 〇…最低限遵守 △…改善が必要 ×…違法性が問われる
【本人の意思に基づく役員選考】
立候補制度などを活用するよう助言。
【選考方法、過程の見える化
事前に選考方法や選考過程を明らかにし、後から疑義が生じないよう助言。また、一定配慮の必要な会員に対しは、個人情報の保護を徹底する選考の在り方について皆で協議するよう助言。
【押し付け合い】
「自分はやりたくない」、「あの人にさせておいたらいい」など、自分以外であればいいという発想で他の会員に押し付けられている。どうすれば負担感の少ないPTA活動となるのかを皆で協議するよう助言。

効率化

3.PTA事業や事務の見直し
概要 会議や事業の準備等で夜遅くまで行われ、役員の負担が大きい。市への苦情も多い。また、やる気のある役員が多く集まると「昨年以上」の成果を求める傾向があり、事業がさらに膨らむ。一方で、役員が毎年改選のため、前年の事業を実施するだけで精一杯となっていて、継続的な改革に着手できない。
現状 会議時間は、教職員の働き方改革に合わせて、終了時間を設定するなど一定の改善はできているものの、大きな事業の直前には作業が深夜に及ぶこともある。
このままではいけないと思いながらも、役員が毎年替わり、前年の事業を実施するだけで精一杯で、事業の見直しには至っていない。また、改革しようとしても、反対にあったりすると「取り敢えず1年やったら終わる」という諦めも出る。
学校の
リスク
PTA役員や会員が、連続して夜遅くまでPTA事務に従事していて病気になる場合が想定。学校園運営の管理者として、遅くの会議等について一定の制限を設けるなど、施設管理者として一定抑制を行うことが必要。
また、PTA役員は毎年変わるが、教職員は他校園も含め長年PTA活動に携わっており、課題や改善事例の情報は一定把握している。同じ会員として、改善事例の情報を提供し、改善の方向性を提示すことで、PTA役員の協議を促すことが求められる。
     
対応策 ◎…理想 〇…最低限遵守 △…改善が必要 ×…違法性が問われる
【地域や民間の活力を活用】
地域学校協働活動などが始まり、地域の力を学校園運営だけではなくPTA活動にも協力いただけるような支援体制を考え、PTA役員に助言。
【会員の協力、事業の縮小】
特定の役員に負担がかからないように、参加可能な会員が協力できる体制を整えるよう助言。また、身の丈にあったPTA活動について、事業規模の適正化に向け、協議するよう助言。
【前例踏襲】
何の問題意識もなく、前例を踏襲。

個人情報の問題

4.個人情報の問題
概要 学校園運営目的で取得した保有個人情報をPTA運営のため、本人の同意を得ずにPTAに提供している。
現状 学校園運営の必要性から取得した個人情報について、殆どの学校園で会員のPTAに提供することを説明しているが、一部の学校園では十分説明できていないところもある。
学校の
リスク
学校園が保有する個人情報を提供する場合は、しっかり会員の同意を得る必要があり、同意を得ず提供すると個人情報保護条例違反となる。また、PTAが独自で取得した個人情報については、取得や管理方法に問題がないように適切に助言。
     
対応策 ◎…理想 〇…最低限遵守 △…改善が必要 ×…違法性が問われる
【PTAが直接会員から個人情報を取得】
PTAが入会時や進級時に、会員から直接に個人情報を取得。この場合、学校園には個人情報保護条例上の義務や責任は生じない。
【適正な手続きを経て提供】
学校園が保有する個人情報をPTAに提供することを伝え、どうしても同意しない場合には、不同意の申し出をしてもらうよう説明。
【通告だけで提供】
保有個人情報をPTAに提供しますという説明だけでは、本人の同意を得たとは言えない。
× 【通告しない】
学校園が保有する個人情報をPTAに提供することすら説明をしない。

会費の引き落とし

5.会費の学用品費との同時引落しの問題
概要 PTAの会費を、学校園徴収金に合わせて指定の銀行口座から引落し、学校事務が行っている。これはPTAの事務を学校園が肩代わりしていることになり、代理人として付与される権限とその範囲を委任契約書で明確に規定する必要がある。
現状 PTA会費を独自で徴収している学校園は2校のみ。その他は、学校園徴収金に合わせて会費の引落し。
その中には、銀行へ提出する口座引落依頼書に「PTA会費」という項目があることをもって、同意を得たとしている学校園が多くあり、また、学年通信等で事後に口座から引落し徴収金の明細にPTA会費を明記しているという学校園がある
学校の
リスク
下記の2点のことを整理する必要。
1点目は、任意の団体であるPTAの事務を学校園が肩代わりするという問題と、2点目は、会費の納入に係る本人同意の問題。

1点目、既に委託契約書の例を示して通知しており、契約の無い学校園は本来の業務外の仕事を勤務時間内に行っていることになり、職務専念義務違反を問わる可能性がある。
2点目、本来的にPTAが会員からの同意を取得すべき。学校園は、その結果に基づいたPTAとの間で交わす委任契約に基づき、学校園徴収金に併せて徴収事務を代行しているに過ぎないので、学校園が同意を取得する必要はない。
     
対応策 ◎…理想 〇…最低限遵守 △…改善が必要 ×…違法性がある
【会費はPTAが直接徴収】
PTA会長等が会員から口座引落しなど独自の手段で会費を徴収。その前提として、入会時に会費の額や納入方法について事前に説明したうえで同意し入会するという入会届を取得。
【会費を学校園徴収金に合わせて徴収】
入会等において、PTA会長等からしっかりと会費額やその徴収方法について説明し、同意を得たうえで入会。同意できない場合には、不同意の申し出をしてもらうよう説明。
【本人同意を得ずに徴収】
本人同意の取得はPTAの事務であり、学校園では確認できないが、委託契約の締結時には、同意を得ている旨の確認を確実に行う。
× 【委託契約が未締結】
PTAの事務を学校園が行う場合、委託契約は絶対に必要。契約の無い学校園は職務専念義務違反を問わる可能性がある。加えて、既に委託契約書の例を示して通知しており、職務命令違反を問われる可能性もある。

使途不明金・寄付

6.会費使途不透明の問題
概要 PTA会費をあてにして、学校備品・修繕などが行われているケースがある。寄付としての手続きを取りPTA側の善意であれば問題ないが、学校側が依頼し、寄付と言う形をとるようお願いすることは不適切ではないか。
現状 現在は寄付という手続きを経ているものについては、問題ない。
が、不適切な事案もあり学校園運営に関わる経費については、当然に地方公共団体が負担することは、学校教育法や地方財政法で定められています。実態を把握し適切に対処。
学校の
リスク
使途については、教職員が参加する総会において、会計報告、予算説明等が行われているので、明朗で明確な説明責任が果たされるよう適切な助言が必要。
備品等の寄付については、実態として学校園側が主導して行った場合には、関係法令に違反する可能性がある。
     
対応策 ◎…理想 〇…最低限遵守 △…改善が必要 ×…違法性が問われる
【必要な予算は市で確保】
学校園運営に関し必要な物品は、市の予算で措置
【ルールに基づいた事務手続き】
PTAとして、卒業などの機会に、子どものより良い教育環境を整えるために、学校園が要求することなく善意により記念として寄付を頂く場合は、寄付採納の処理を行う。PTAは、会計規程をしっかりと作成し、また、その使途を詳細にしっかりと会員に説明。
【学校園がPTAに依頼】
学校園が寄付という形をとりながら、備品購入等をPTAに依頼。
× 【寄付などの手続きの不備】
寄付採納の手続きをしない。また、PTA会費で修繕工事をするなど所管所属に相談や報告をすることなく行う等。

PTA未加入者の子どもへの教育的配慮

PTAは『Parent-TeacherAssociation(保護者と親による会)』の略ですから、子どもとは無関係な組織です。
つまり、PTA活動は、学校園に通うすべての子どもたちの福利のために保護者と教師が自発的に行う活動であって、PTA会員の子どもたちの福利のために行われる活動ではありません。
従って、入園・入学式や修了・卒業式などでは、PTAから紅白まんじゅうや学用品が各児童生徒に贈呈されることがあります。
これらの費用はPTA会費から出されますが、もちろん、PTA会費は「学校園に通うすべての子どもたち」のために使われるものですので、PTA会費を支払っていない保護者の子どもであっても証書入れの筒や胸につけるリボン、学用品を受け取れない、ということはありません。

というところです。

業務効率化・役員負担・役員決めなどの項目については、「助言する」などとしか書けないところが非常にあいまいで残念ですが、任意加入や個人情報・会費の問題、そして「非会員の子どもへの配慮」に具体的に言及しているところが好印象です。

 

 

いまのところ、自分の娘の学校のPTAについて特段不明瞭な点や不満な点があるわけではありませんが、もしなにか問題にぶつかったとき、これを手元にプリントアウトして、対処したいと思います。