京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

『学校における働き方改革』を親の目線から読む

中央教育審議会が提出した、『新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体
制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について』という長々しいタイトルの資料を読みました。長いのはタイトルだけではないのですが。

学校における働き方改革特別部会(第20回) 配付資料:文部科学省

news.yahoo.co.jp

この記事の妹尾さんは、中教審の委員の一人です。Yahoo!の記事でかなりかみ砕いた内容で、現状の問題点や制度の不備を伝えています。

が、審議会の委員にこういう人がいても、こんなひどいレポートになるのか、というほどお腹を下しそうな内容の答申素案になっています。

(※校長先生が飼っているメダカです)

何がおかしいのか?

長いレポートのなので、3行でまとめまます。

・授業時間増・部活の激化・学校業務の肥大が長時間労働の原因

・学校が担うべき業務以外は「(現行の)事務職員」「地域ボランティア」へ

ストレスチェック、上限360時間、変形労働時間制などを導入

です。

これだけ見ると、そんなにおかしくないのでは?と思うかもしれません。

明らかにおかしいと思われる表現などは至る所にあり、それは言及するのも面倒なので省いていますが、要旨だけみても、やっぱりなんかおかしいです。

 

まず予算を投じるつもりがカケラも感じられません。事あるごとに「ボランティア」です。ちゃんとカネを払え。

現行の事務職員の時間や地域ボランティアの担い手はどこから湧いて出てくるんでしょうか?それらがないままに、上限と制度だけが設けられたら、どうなるのか。

 

地域地域って、地域にいるのは、高齢者と一部の専業主婦・主夫だけです。その人たちだって、みんな自分の生活があります。自治会やPTAの仕事すら、面倒で断る人が多いのに、ボランティアを買って出る人がそんなにたくさん湧いてくるはずもありません。

 

報告書を読んで私からの提言

・残業代が出ないから、ろくに時間管理もできていないんじゃないの?

在宅ワークの時間含めて、徹底した時間管理をしませんか?

・そのうえで、在宅ワークが可能な環境構築しませんか?

・登下校の見守りとか要らないから、入り口に入退室システムつけませんか?

・出欠確認とか紙の連絡とか要らないから、グループウェア使いませんか?

・生徒の成績・出席状況その他管理も、人事システム入れませんか?

・プログラミング教育とか要らないから、Google Clasroom使えるようにしませんか?

・ランドセルに5万出せるんだから、子ども用にタブレット買えるんじゃない?

edu.google.com

・部活とかいいから、民間のクラブでも大会出られるようにしませんか?

・なんで学校単位で部活やるの?合同でやれば負担減りませんか?

・学校の事務とか市区町村単位で一元化しませんか?

・管理職クラスの先生までコロコロ異動させたら、何も改善できなくないですか?

・学童の先生をフルタイムにして、休み時間や給食はその先生にお任せしませんか?

・学校と地域はすでに結びつきが強く、これ以上地域への負担を強いないでください。

 

現実味のない「地域」という資源に頼るよりも、小手先の積み重ねでいいから具体的なすぐに実行可能で有用性のある改善施策をしてくれませんか?というお願いです。そのためのシステムやツールはいっぱいあるはずです。

もちろん学校単位でやっている施策もあると思いますが、紙と電子の二重の運用になっていたりと余計に非効率になっているケースも散見されます。徹底した効率化を全国単位でやれば、かなり改善されると思います。

そのための旗振りは文科省が行うべきです。 

lazyplanet.hateblo.jp

親からの理解

中教審は「先生の多忙」について親への理解を求めています。

最後に、中央教育審議会として保護者や地域の方々にお願いをしたい。

~略

その教育の最前線で日々子供たちと接しながら、子供たちの成長に関わることができる喜びが大きいとはいえ、つらいことがあっても、自らの時間や家族との時間を犠牲にしても、目の前の子供たちの成長を願いながら教壇に立っている現在の教師たち。

これまで我々の社会はこの教師たちの熱意に頼りすぎてきたのではないだろうか。

所定の勤務時間のはるか前に登校する子供のために、自分はさらに早朝に出勤する教師。平日はもちろん一般の社会人が休んでいる休日まで子供たちの心身の成長を願い部活動に従事する教師。子供の様子を一刻も早く共有するため仕事をしている保護者の帰宅を待ってから面談をする教師。

こうした中で教師たちは長時間勤務を強いられており、そして疲弊している。

今回の学校における働き方改革は、我々の社会が、子供たちを最前線で支える教師たちがこれからも自らの時間を犠牲にして長時間勤務を続けていくことを望むのか心身ともに健康にその専門性を十二分に発揮して質の高い授業や教育活動を担っていくことを望むのか、その選択が問われているのである。

だそうです。(全体的にこんな調子の胃がもたれる文章です。)

私たちは、そんなに多くのことを本当に先生に望んでいるんでしょうか?

digital.asahi.com

たしかに、先生に残業代が無いことも知らない親もいます(約6割という記事が以前ありました)。先生が疲弊してたら困る、というのは当たり前の話です。疲れたら休んでください。健康が一番大事。

 

でも、仕事でも取引先が急に納期守らなくなり事情を聴くと「実は急に人が辞めちゃって・・・」となったら、「それはおたくの都合ですよね?仕事はちゃんとやってください」と返すのが普通です。そういう信頼関係の元に仕事を依頼してるからです(もちろん、気持ち的にはとても同情しますし、待てるなら待ちたいです)。仕事をしている以上、継続してこれまで通り業務できるようにする責任が(先生ではなく学校に)あります。

学校が「子どものために」無理な要求を飲んで来たのであれば、それは学校側の責任です。生徒とその親の立場からすれば、「確実に業務を遂行できる管理体制と組織」を整えてもらってその責務を全うしてもらう、というのは、最低限の要求です。

「それは学校の業務の範囲外です」「無理なことは無理」、と先に言ってもらえたほうが、親としてもありがたいのです。

学校の「非効率的な仕事のやり方」を含めて、充分理解している親も多いのではないでしょうか。