京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

パートの主夫になりました。

鬱で休職・失職して主夫になった私ですが、最近パートの仕事を始めました。

4か月ほど続いて、来年の3月までの契約更新も済ませたので、これからもある程度は安定しそうなので、ちょっと経緯を整理しようと思います。

 

仕事を辞めてから

辞めたのは、2年前。仕事を辞めてから、主夫になる、と決めたものの、ずっと家の中にいることも辛く、ある程度自分の収入も確保したいという思いもあったので、余裕のあるときに仕事を探して、面接に行っていました。

特に、仕事内容は問わずにいろいろ応募してみたものの、

・長時間働くことができない

・男性なのにブランクがある

・謎の高学歴

・なんか暗い

かなりのクセモノだと思われてしまうのか、派遣でもバイトでもことごとく落とされてしまい、余計に自己嫌悪に陥っていました。

 

そのため、ヤフオクやメルカリで稼いだり、クラウドソーシングで稼いだり、生命保険を解約したりして、家計の足しにしていました。

 

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市の就労支援センターへ

昨年の9月、市役所で就労支援センターのチラシを見かけて、「カウンセリングから求人紹介まで全て無料」ということだったので、登録してみました。

結果として、この就労支援センターが相当手厚く面倒をみてくれました。

 

登録後に、履歴書や職歴書などを持ってカウンセリングをします。

カウンセラーは定年退職後、こちらに雇われた60代の男性でした。

初めの面談で、鬱になって休職したこと、今は主夫をしていること、なかなかバイトにも通らないこと、フルでは働けないこと、などを伝えたところ、非常に理解を示してもらいました。

押しつけがましいところもなく、淡々とこちらの話を傾聴し、自分の中で咀嚼するまで、会話を続けてくれます。

 

一度の面談時間は1時間程度ですが、その面談を週に一度、2か月ほど行いました。回数でいえば10回くらい。

 

その間、こちらは前職での働き方、前々職での出来事や転職経緯など、さまざまなことを話し、そのうえでどういった働き方が向いているのかを、キャリア形成等の書籍の内容をもとに、ひとつひとつ一緒に確認しました。

また、相手の働き方や職場、定年までのキャリア、家庭との関わり方などもたくさん伺いました。(かなり壮絶な働き方をしていたようです・・)

お互いが働き方やキャリアについて話すことで、共感する部分を発見できたり、現状の理解や確認につながったりと、いい面がたくさんありました。

 

そんなことを辛抱強く2か月も続けてくれて、こちらは何もお金払ってないのが申し訳ないくらいでした。

 

おかげで今の自分の働ける範囲を見極めて、適切な求人を探す、という基本的なことをがっちりと固めることができたのだと思います。

 

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2か月限定での仕事

最終的にその年の暮れに、仕事を紹介され、2か月間限定で、お役所仕事に就きました。

・家から自転車で行ける距離

・就労時間は一日6時間・週5日

・期間限定

・主婦多し

・事務仕事

というところが、好ポイント。

期間を限定したことで、明確な終わりが決められ「達成感」が体感できること、が最重要ポイントです。

 

正直、しんどかったです。

冬場だったので、季節要因の体調不良もあり、2か月の間に何度も休みましたし、仕事中に眠って怒られました。

それでも、なんとか2か月やり切ったことで、次もなんか探してみるか、という気持ちになりました。

 

今の仕事

そして、たまたま一般の求人誌で見かけた、今の職場の求人にたどりつきました。

・家から自転車10分(満員電車は吐くので無理)

・スーツ無し(ネクタイも吐く)

・1日4時間、週5日(労働保険以上扶養範囲内)

・主婦多し。(理解者が多い)

・事務職(体力的にこれしか無理)

というところが好ポイント。特に、エクセル使える人求ム、という感じだったので、これならいけそう、と。

 

有名な求人誌からの応募は競争率が高いので、ダメ元で受けましたが、無事に通ってしまって今に至ります。

 

 

業務内容は、営業事務です。(ざっくり言えば)

同僚の大半は同じようなパートの女性で、各部署ごとに数人の営業男性をサポートしています。

一日4時間(昼休憩45分)なので、無理せず続けられ、子どもの急な休みにも対応できます。賃金は最低に近いですが、頻繁に「おみやげ」がもらえるので、家計的に助かっています。

 

ただ、そういったこと以上に、「皆さんと同じふつうのシュフです」と自己紹介した怪しげな30代男性をすんなり受け入れてくれたことに内心驚いています。

男性のパートはここ数十年で、今の部署に限らず初めて、とのこと。配属先のメンバーの平均年齢は高く、50~60代が中心。普段接するのはもちろん全員女性です。

でもそんな女性たちは、とても歓迎してくれ、いつも一緒にランチを食べてくれるばかりか、LINEグループにまで入れてくれました。シュフ同士なので、話もよく合います。

これまで働いてきたベンチャー2社は逆に50代がいない状況でしたが、主夫になって自治会など地域の仕事をしたことで、さらに高齢層と関わってきた経験も活かされてると思います。

上司も幸いに理解があり、短時間勤務でも働ける仕事を与えてくれ、退屈しない程度に工夫を求めてきます。

 

非常に人間関係や環境が良く、正直、こんな条件でよくこんな仕事が見つかったな、と思えるほど運に恵まれています。

 

パートの主夫であること

現状は、体力的にはかなり限界で、4時間しか働いていないのに、夕方まで家で寝ていないといけないくらい疲れてしまいます。

夕方以降の家事は、できる範囲でかなりずぼらに終わらせています。

 

扶養に入っている男性の数は、全国で約11万人と言われています。何らかの事情で、長時間働けない、扶養に入らざるを得ない男性は意外と多いことが分かります。

 

パート等の非正規で働く環境も、扶養という制度自体も、これまでの社会のなかで作られ、守られてきたもので、今となっては弊害になっていることも多いと思いますが、それでも先人の女性たちが切り開いて作り上げてきた今の職場のような環境は、それを自ら望んでいる男性の主夫にとってもありがたいものです。

その環境に男性が乗っかることに賛否はあるかもしれませんし、本人の望まない非正規雇用は改善すべきですが、個人的には男性の時短勤務あるいはパートといった働き方は一つの選択肢として増えていいと思っています。

夫婦でどちらかが仕事をセーブしなければならないときに、女性だけがその役割を担う必要もないし、男性の働き方にそうした前例がないために無理して働かざるを得ないケースも多々あるでしょう。

 

今後、いつまで契約が継続されるか分かりませんが、使ってもらえるうちは使ってもらい、体力的にも余裕ができれば、空いた時間に他の仕事をやりたいと思っています。

 

いろいろ環境の変化はありますが、気分の上下はなるべく落ち着かせていきたいなと思うところです。

 

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