京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

「主夫」として発信すること

 7月初めごろに、ファザーリングジャパン関西に入会しました。

もともと、本体のファザーリングジャパンのほうにも入っていたので、知り合いのメンバーも多かったのですが、心の余裕がなかったこともあり、避けて通ってきていました。入ったらなんか手伝わされるような気がして。

 

そして、案の定(?)主夫志望も含めて「主夫的」な働き方をしている人がそれなりに人数集まったみたいで、なんか発信しませんか、という話になりました。

 

こんなブログを書いているくらいなので、いろいろと思うことはたくさんあるのですが、言葉にして、それを共有することはとても難しいと実感しています。

なるべく自分の気持ちは文字に起こしているのですが、言い方ひとつ間違えるだけで全然印象が変わってしまいます。 どう発信するか?というスタンスは、とても大切でメンバー全員が共有しなければならない前提条件です。 

 

Facebookで方向性を議論し、何度かオンライン会議で話しているうちに「いどばた会議」っぽいよね、ということになり、日常性のあふれる感じもとても良くて、『主夫の"いどばた"』という名前でグループを作りました。 

主夫の”いどばた” - ホーム | Facebook

 

以下、メモ的に議論の合間にFacebookに投げかけた文章です。そんなことをしていたら広報役をやってくれ、と頼まれて、慣れないことをやっています。

重複箇所が多くて読みにくいですが、思考の遷移が分かるのでそのまま残しときます。

 

コンセプト的なもの

現状、男性はフルタイムで働くのが当たり前という社会状況です。

「主夫になること」は通常のキャリアから外れることであり、さらに言えば一度レールから外れたら再びキャリアを積むことも難しい、と思われがちです。実際に、苦労している人も多いと思います。

 

でも、主夫も立派なキャリアの一つです。その期間はブランクなんかじゃなく、新しい学びがいっぱいあり、さまざまなスキルも身につきます。もちろん、リスクが無いわけではないですが、主夫を経ることの強みはもっと周知されるべきです。

もっと気楽に男性も主夫業を選択できたら、女性にとっても喜ばしいことです。

女性のほうがキャリアを優先したほうが合理性がある家庭も多いでしょうし、出産前後を除けば、育児や家事は男性でも代替可能な仕事です。夫婦間でその都度攻守交代できるというのは家庭のマネジメントにおいてリスクヘッジにもなります。

より広い視点でみれば、多くの男性が長時間労働を強いられている現状は、現役世代の男性という貴重な社会資源のほとんどを労働市場に搾取されています

 

たくさん働くのが悪いのではなく、それが当たり前とみなされて、そこから外れた人が生きづらくなるのが問題なのです。
外で働くことだけに囚われず、多様な生き方の選択肢として主夫が当たり前にいる社会を目指したいです。

 

 

とは言うものの、どう発信するか?

多様性や新しい生き方、包摂など手垢のついた表現、食傷気味なのもすごくよくわかるし安易に飛びつきたくはないのですが、一方で、男性は働いて当たり前、赤ちゃんはママがいいに決まってる、みたいな考えも未だ根強いわけで。


そういう人には、やっぱり「そこからか?そこから説明しないとダメか?」みたいなとこから丁寧に対応する必要があるんですよね。
ただ、それについてはFJやFJK本体の方でできることかもしれません。

とすれば、多様な社会という前提は当たり前のものとして、もう少し議論の段階を上げてもいいのかな、と。

 

誰に向けて発信するのか、というところで、そういう保守的な価値観の人とガチで戦うよりは、新しいもの好きで主夫を面白がってくれるような人に向けて発信して巻き込んでいく感じでしょうか。

主夫って、価値観のアップデートをしないと受け入れられない存在なんですよね、社会にとっても自分にとっても。
主夫もキャリアの一つって考えられるようになって初めて自分は無職じゃないって思えるようになった実体験もありますし、それは女性活躍、女性も輝く社会という新聞の見出しを見て、ここに私は入ってないんだな、と思う専業主婦のモヤモヤに似たもののような気がします。

最近よく「アンラーニング」という言葉をよく聞きますが、それに近いのかなと思ってます。

「主夫もキャリアのひとつ」という考えは「その期間はブランクである」という古い概念を意識的に捨てて、新しい「主夫というキャリア」の概念を取り込んでいる、と。

 

主夫への距離感の正体をもう少し掘り下げたいのですが、単純に分からないものだから近づきがたい、というのもあるかもしれないですし、まだまだ情報が少ないのもあるかもしれません。
もっと身近なものにするためにはとりあえずオープンにすること(秘密結社ではなく!)かなぁと思うのですが、具体的にはまだちょっと思いつきません。

 

既存の主夫コミュニティとの差異

FJ本体で(東京主体で)作られた「秘密結社”主夫の友”」というコミュニティもあります。

彼らは”政府が打ち出した「2020年に女性管理職比率を30%に高める目標」に習い、全国の男性30%を主夫にするという意味不明な野望を掲げて2014年結社”しています。

もちろん、彼らなりの皮肉です。

主夫の"ツナギ"をクラウドファンディングで作ったり、主夫の友アワードなどの表彰を作るなど、彼らの活動はアクティブかつ社会的インパクトのあるものが多いです。

強力な個性と能力と人脈をもって、それらを活用できる「プロ主夫」の集まりだから、です。彼らのような社会的影響力も無いし、そもそも日常の家事・育児が大変な30代が集まっている以上、そんな「すごい主夫」になることはできないし、目指す方向性も違うように思います。

 

「普通の主夫」が、育児や家事に悩む人たちの日常生活上の「困りごと」に寄り添う。

ちょっとした悩み事や打ち明け話ができる、日常性とのつながりが強い”いどばた”ならではの良さが、そこにあるような気がしています。

多くの主夫の声を集める、集まる場所を作る。”いどばた”は一つじゃなくて、全国各地たくさんあっていい。いろんなコミュニティがあったほうが、自分に合った居場所を見つけやすい。

主夫どうし、主夫に興味のある人、たまたま通りかかった人、そんな人どうしが気軽に話せる場所はもっとあっていいと思います。

 

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コミュニティの意義・アプローチ

下記は、コミュニティの説明として公開しています。

 

主夫の”いどばた”はオープンな場所です。
井戸端会議のように自然に人が集まって、日常の何気ない悩みや些細な喜びをとりとめなく話すような。

 

これまで主夫がそうやって自然に集まって話せる場所は生まれてきませんでした。主夫が少ないから。
だから、ここに作ります。主夫どうし気軽に集まって話すことができる”いどばた”を。

 
おっさんが集まって話す様子はとても怪しいですが、ふつうに主夫として働いて生活してます。皆と一緒です。

主夫ならではの悩みもあります。

 

一億総活躍社会、どこか「稼ぐこと」=生産性とみなされ、生きづらい空気があります。

でも、主夫もキャリアのひとつです。
その期間はブランクではなく、新しい学びがあり多様なスキルも身につきます。そして、何より家族を守るかけがえのない仕事をしています。そこには男女の差もありません。

従来の価値観をアップデートして、新しい「キャリア」という捉え方をすると見えてくる景色も変わります。「稼ぐ」だけがキャリアではないんです。皆が稼いでるほうが、変です。

まだまだ主夫の存在は少なく、認知もそれほどされていません。
被扶養者である男性の数は日本で11万人と言われていますが、パートの主夫を含めれば、もっと多くの主夫がいるはずです。

主夫どうし、もっと気軽に交流したい、悩みを話したい、主夫になりたいけどちょっと不安、いろんな思いを抱えている人が、いっぱい隠れていると思います。

働き方も、男性の生き方も、家族のかたちも、もっと自由で、たくさん選択肢があるほうが、きっとみんな楽に生きていけると思います。

肩の力を抜いて、ちょっと、"いどばた会議"してみませんか?

まとめ 

Facebook上でやり取りした言葉はもっと多くあるのですが、主な箇所はこんなところです。

ちなみに、メンバーはほとんどが対面で会ったことのない人ばっかりで、オンライン会議しかしていません。主夫のオンラインサロンのようなもの、と思ってもらえれば。

 

走りながら考える感じで、スタートを切っていますが、なんかまとまった成果物ができたらいいなと思います。

 

一人で考えるよりも、仲間がいて皆で考えるほうがいいな、と思っています。

もしご興味があれば、お気軽にお声掛けください。

lazyplanet.hateblo.jp

 

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