今年からの自治会の新しい取り組みとして、「地域包括支援センターとの連携」っていうのを始めました。
今回は、その企画のお話です。
<地域包括支援センターって?>
地域包括支援センターって何??という人も多いと思います。
実際にその役割はいろいろあるのですが、介護をもっと地域と連携して総合的にやろう、ってことで、主に要介護になる前の段階の要支援者や介護予防の相談窓口として機能しています。
(参考リンク)大阪市市民の方へ 地域包括支援センター
予防段階でしっかりケアできていれば重篤化しないし、介護負担も少ないのに・・・というケースが多いこともあり、介護予防には介護者不足のなか社会全体の介護負担を減らす効果もあります。
また、独居老人や高齢夫婦世帯が多い地域では、当然、孤独死といったリスクや、家庭内で行われている虐待などに気づきにくい、といったこともあります。
特に、プライバシーに配慮されたマンションであれば、なおさら近隣のそうした状況にも気づきにくいでしょう。
そうしたリスクを避けるためにも、地域包括支援センター(包括と略したりします)が、主体となって実態把握を進めるとともに、地域のさまざまな社会資源を活用しつつ、早期のケアを進めるよう各自治体に設置されています。
<自治会にできること>
介護って「必要になってから受ける」人や、施設への不安もあってギリギリまで受けない人が多いようで、60代になっても「どうやって申請するか良く分からん」って人もいます。
もちろん地域包括支援センターのことも知らないし、要介護の前段階の人から包括に行くことはめったにありません。
そのため、施設側からのアプローチが重要になるのですが、上記のようにニーズを感じていない(けど、そのうち必要になる)人に対するアプローチとなるため、包括側もなかなかマンション内の実態を把握できず、「いかに知ってもらい、活用してもらうか」が課題となっています。
そこで、自治会として集会所を使い、気軽に介護や生活の気になることを相談できるトークカフェを開こうと、包括支援センターの職員さんと連携し、センターの紹介や介護や生活に関する相談会、茶話会などを開くことにしました。
告知方法や対象者、会の内容、外部の人を呼ぶことなど、様々な議論はあったのですが、先日無事に開催でき、参加者もけっこう楽しんでくれたようです。
一度、敬老行事で軽く紹介をし、今回は「認知症とは?」というテーマで初めて実施しましたが、今後も定期的に続けていく予定です。
<企画する意義とは?>
自治会活動は、お祭りなどつい非日常のイベントばかりにリソースを割かれてしまいがちです。
でも、個人的にはもっと日常の延長で気軽に参加してもらえる企画を続けていけたらなぁ、という思いもあります。
イベントや役員がしんどい
→自治会に入らない
→残りの人の負担が増える
という悪循環で、地域の自治組織が回らなくなることもやはり寂しいしなんとなく風通しや空気感も悪くなります。
もっと自治会に入っている日常的なメリットを感じてもらいたいなぁ、と。
内容的にはお年寄り向けなイベントなんですが、実際に半分以上の入居者が65歳以上だったりもするなかで、まず高齢者に納得していただくことは重要だと思っています。
一方で、若い世代との交流ももちろん重要で、実際にいざ災害が起きたときには若い人が高齢者を助けなきゃいけないだろうし、本当はもっと若い人にも興味を持ってもらえる工夫をしたいところです。
自分も子育て世代なので、もっと子育て世代向けの企画をしたほうがいいのかもしれませんが、仕事に子育てに、とても忙しい親の状況もよく分かります。
それだったら、「お年寄りと気軽に話せる機会を作ったり、もっと交流して地域で見守れる環境を作ろう」という企画のほうが結果として「子育てしやすい環境」が作れるような気がします。
<認知症サポーター養成講座>
ちなみに、次回は「認知症サポーター養成講座」というのをやります。
これは、わりと若い人向けかもしれません。
これも、包括の方が講師となって無料(テキスト代120円のみ)で実施してくれます(自治体で少し異なるようですが)。
受講すると、認知症サポーターの認定の証として、オレンジリングがもらえるようです。
なかなか中身のある内容のことを無料でやってくれて、こちらは場所を提供するだけで、進行も内容も全てセンターの人が考えて実施してくれます。
それでもセンター側にも非常に喜ばれる企画ですので、自治会イベントとして、もし興味があればぜひご参考ください。