京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

家事の時間、仕事の時間

家事の時間について、毎年おそらくこの時期あたりに調査結果が出るのか、度々話題になります。

 

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家事の時間の計り方

ところで、家事してる時間ってどうやって計ってるんでしょう?

毎日、家事時間を勤怠管理で打刻してる人はいないと思います。

そうすると、洗濯、掃除、ご飯づくり、ゴミだし、買い物、子どもの世話などタスクあたりにかかる時間を算出して、その総和ではじき出すかと思うんですが、会社の勤怠をそんなふうに付けてる人は少数ですよね。(というか違法な気がします)

 

たいていの人は会社にいる時間=仕事してる時間だと思います。その時間には、同僚と談笑したり、ちょっと休憩室で雑談したり、あるいは営業電話などで作業が中断することもあろうかと思います。

同じように、家にいる時間=家事の時間と考えてみれば、必然的に家事の時間は長くなります。家事タスクの総和時間で想定される時間以上に、予定外のものが入り込んだり、度々中断が起きるのがまあ普通です。

あるいは、会社の経営陣に「労働時間管理されないからって、健康に悪いからあまり働きすぎないでください」と言ったら、「いやいや私は家でもずっと仕事のこと考えてしまうんだけどそれも辞めろというのか」みたいに返されたことがあります。

 

家事も考える時間、長かったりしますよね。

献立や消耗品の購入リスト、子どものしつけ、教育方針、習い事、整理整頓や効率的な家事動線の仕組みづくり、家族旅行の計画、家族とのコミュニケーション(相手を説得するようなことがある場合)、近所づきあいの諸々など。

そうすると実作業時間だけを捉えて、ウチの家事は1時間で終わる、みたいな議論も甚だ見当違いというか、要は「負担感」みたいなものなので、「家事の時間を短くする」という解決ではなく、「家事の負担を軽くする」という解決に向かう議論が必要なのかなと思う次第です。

データの出所とその懸念点

ちなみに、すごく分かりづらいグラフですが、元データの国立社会保障・人口問題研究所の『第6回全国家庭動向調査』から下記の図を抜粋します。

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第6回全国家庭動向調査

これを見ると、常勤の共働き家庭だと、平日の平均家事時間は約3時間。8時間の労働後に3時間分残業していると考えたら、立派な長時間労働です。

 

ただ、調査票自体の作りは少し気になります。

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基本的に、女性に対して「あなたの夫は何時間家事をしていますか?」と訊いています。なんだか、もやもやしますね。上司や社長に「あなたの部下は何時間仕事していますか?」と訊いている感じでしょうか。女性が夫の家事時間を把握しているのが前提になっているような、バイアスのかかった質問項目であるような気がします。

本当に女性は、夫が家事している総時間を把握しているのでしょうか。そもそも把握すべきなのでしょうか。

「名もなき家事」の話

「名もなき家事」の多くは女性が担っていると思いますが、男性が担っている「名もなき家事」もたぶんあるでしょう。それは女性が家事と認識していないものも含まれると思います。

 

家のネット環境構築、重い荷物の移動、自家用車のメンテナンス、黒くてすばしっこい虫が現れた時の始末・・・。
必ずしも男性がやるとも限りませんし、女性が担っている家庭も多かろうとは思いますが、「名もなき家事」の洗い出しも2人でやるのがいいですね。

 

ただ、個人的にはこうした作業ってそれ自体を負担に感じる人もいるような気がします。それが苦手な人もいます。それをやることでかえって負担感が増えるのであれば、やらない方がいいかなぁとも思います。

 

過去にも、家事の効率化については何度も書いていますが、単純に長時間労働は不幸を招きやすい」です。

 

家事であっても稼ぐための仕事であっても、長い時間働くことは大抵の場合、しんどいことです。「しんどさ」を無くすために、どんどん「楽をしてもいい雰囲気」を作っていけたらいいなと思います。それぞれの家庭でも、社会全体でも。

 

lazyplanet.hateblo.jp