京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

メルカリでわたしが売らない本

メルカリで本を買って本を売る、というライフハックプラットフォーマーであるメルカリ自身が推奨することについて、勝間さんが痛烈に批判しています。

 

katsumakazuyo.hatenablog.com

 

お怒りはごもっともです。

別に古本屋と同じといえばそうだし、ヤフオクの時代から同じことをしていた人は少なからずいました。

ただ、公式が声を大にして言うことなのか、というところのモラルの問題なのかと思います。

 

わたしの場合、メルカリでそれなりの金額で売れるおかげで、次の新刊を躊躇なく買う原資になっています。そのため新刊の売上に寄与している部分が大きいと判断し、この方法を推奨しています。

メルカリで売らなかったころは、そもそも高い新刊は買わずに図書館か古本屋を利用していました。

 

lazyplanet.hateblo.jp

 

そして、本棚に何ヶ月も読まれないままに旬を過ぎていく本と、話題のあるうちに何人もの手に渡って読まれていく本と、どっちが幸せなんだろう、と思うわけです。

このあたりは、価値観の違いだと思っています。 わたしは、ただ本棚に眠らせておくだけよりは、それを共有し、欲しいと思った人に売る、という方法をとっています。

 

勝間さんの本も「旬」があります。ホットクックの扱いについて書かれた本は、今は読まれても5年、10年後も同じように読まれるかというとそうではありません。


時代の変化とともに、内容が古くなり、その価値が失われれば、当然価格も下がります。その意味で内容の古い新刊は割高です。一方で、内容は古くても価値の失われない本などもあります。名著といわれる小説や絵本の類はそうだと思います。

 

ぐりとぐら」は50年近く前の本ですが、いまだに愛され続けています。

 

 

作者を応援するために皆が新刊を買わなければならない、というのは少し息苦しいです。

文庫化すれば単価は下がるし、単行本もよほどの希少性がなければ、むしろ人気本ほどブックオフの100円棚に置かれます。ブックオフでやがて不動在庫となれば、ゴミとして捨てられます。売れない商品をいつまでも置いておけないからです。

本が好きな人間としては、ゴミになるような本は、なるべく少なくしたい。
いろんな意味で。

 

この件に関しては以上ですが、タイトルの話をします。

 

売価1,000円未満の本

出品もバーコード読みとるだけ、売れたら包んでコンビニに出すだけ、なんですが、やっぱり手間です。それだけの手間をかけて、300円の本を売るのも実りが無いのでやりません。

文庫本、新書や雑誌の類は基本的には売りません。また、単行本で出版年数が1年以上経過しているものもほとんど売りません。

このあたりは、なるべく旬のうちに売る、というのが基本になります。リセールバリューのない本は売りません。

手放す場合は、わたしよりうまく売ってくれそうな古本屋に頼みます。次に書きますが、「この文脈の棚に置いていたら売れる」という本があるからです。

 

面白くない本

自分が読んで面白くない本でも、ほかの誰かにとってはドンピシャで面白いこともあると思います。

でも、絶対これつまらないし貴重な他人の時間を費やしてまで読ませる本じゃない、と思うものは、売りません。

面白くて、他の人にも読んでほしい本だけを共有棚(メルカリ)に並べています。そうすることで、わたしの出品傾向に対してファン(固定客)も生まれます。

セレクト系の古本屋でもなんとなくこの本屋でこの並びにおいてあったら、良さそうな本だな、と手に取りやすくなります。同じように、「わたしが出している本なら面白いのかも」という心理が働き、ただ何でも出品するよりも売れやすいのです。

 

古い情報もの

いわゆるハウツー系の本は古典と呼ばれるものを除けば、情報が古くなります。

特に、法律やITに関わる本などが該当します。それを買った人に誤った知識を与えたくないですし。そもそも、あまり売れる類のものでもないです。

 

まとめ

メルカリは、インターネット上のフリーマーケットであって、個人間で売買を楽しむものです。個人が買った所有物を個人が売るだけなので、プラットフォーマーや著者の考えや意見に関わらず、個人どうしの需給が満たされてればそこで取引が成立します。

本が大好きだからこそ、もっと多くの人に良い本が行き届いてほしいと思っています。

生産者たる著者にとっては、「本」だけで生き残るのは厳しい時代なのかもしれませんが、伝えたいことを伝えるために本を書いているのであれば、その内容は多くの人に伝わるべきです。

古本で著者のことを知り最新作を読みたくなったら新刊を買う、という購買行動もあっていいと思いますし、特に中高生をはじめとしたお金のない層にとっては、ブックオフをはじめとした手ごろな価格で買える古本屋は今も昔も非常にありがたい存在です。

もちろん、メルカリが全てではないので、それ以外の方法で著者の尊厳を守りつつ、多くの人にわたしの本棚を共有できる方法があれば、それを実践したいところです。

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