地域と子育て-京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

ネット村社会における互助行為について

皆さん、「互助」という言葉から何が思い浮かびますか?

なんか村社会の面倒なしがらみとかですかね。

 

互助について詳しく知りたい方は、下記の本をどうぞ。

(※重くて太くて高価な本なので、やはり図書館で借りることをオススメします)

互助社会論―ユイ、モヤイ、テツダイの民俗社会学

互助社会論―ユイ、モヤイ、テツダイの民俗社会学

 

書評:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsr/59/4/59_4_821/_pdf

(※私の恩師がたまたま書いていたのでそのまま参考に。読まなくてもいいです。)

 

互助とは、基本的には、日本の伝統的な村社会の中で行われてきた、日々の生活扶助のことを指しますが、ここ最近、私がいま書いているブログサービスの界隈でも頻繁に見受けられる言葉になっています(←白々しいことこの上ない)。

 

blog.skky.jp

(※すみません、参考記事として引用させて頂きます)

 

地域の中での相互扶助は自治会や町内会の衰退、高齢化に伴う担い手不足、職住分離による労働世帯の欠員など、様々な理由で崩壊しつつあります。

そんな互助活動が、ネット村においては、せっせと活動されているのがどうにも皮肉でならないわけですが、一方でソーシャルな場で特定の集団だけがその集団のみ利するような互助行為を繰り返すことへの批判も多くあります。

 

彼らはなぜ批判されるのでしょうか??

いろいろ論点があり、自分でも整理できていない部分もあるのですが、やはり違和感を感じるところもあるので、ここで確認したいと思います。

 

互助とは?

参考文献に頼ります。

互助とは「村落社会における成員どうしの相互扶助」のことで、政府や自治体といった公的な扶助が期待できない社会において、村人どうしが日々の生活の中で困ったことがあれば、あるいは共通の目的のために、助け合うということが必須でした。

村落における互助は、公助・共助・自助という枠組みのなかでみれば二つ目の「共助」に分類されます。

(※地域包括の定義とはここでは異なります)

公的領域にも、私的領域にも属さない、古く言えば村社会のもやい、町内会ですが、今風にその価値を見出せば、サードプレイスとしてのオープンな場におけるつながり、助け合いみたいなものとなるかと思います。共助のこうしたサードプレイス的な機能はgreenz.jpあたりが大好きなソーシャル界隈の人に大変ウケがいい話なのですが、それはここでの本題ではないので省略します。

 

ネットの村社会とは?

ブログをはじめ、SNS等によってネット上でつながりを持つことが容易になったネット社会では、特定の目的や興味が合致したものどうしでの集団を作ることも容易に可能になりました。

 

例えば、どんなブログサービスにもたいてい、グループ・サークル・コミュニティといった集団を作るサービスが付随していたり、相互フォロー、読者登録などの機能により、互いの更新情報を確認することができます。

ただブログサービスの運営ごとに、そのそれぞれの集団のなかでのルールは異なります。

エキサイトやアメーバなどのブログは、グループ・サークルのような各人が自由に作れるコミュニティがあり、そのなかでのルールはかなりの裁量が個々に任されています。一方、機能的な制限によってできること、できないことがあり、それによってコメントの返報性などに違いが出てきます。

楽天ブログの場合、ブログの更新情報を楽天プロフィールというフィードに飛ばすのが通常なのですが、そのフィードについたコメントの返信が相手に通知されない、という意味不明な仕様によって、コメント返しは基本的に自分のフィード更新時に行う、といった運用が暗黙化されています。

こうした機能制限による?暗黙のルールを含めて、それぞれのブログサービスによって、村ルールがあり、それぞれの成員の気質が違うのも、またネット村社会の面白さでもあります。(メルカリの文化もそうですね) 

そのほか、アメーバには怪しい業者も出入りしている一方で、泡沫から有名どころまでアイドルが多数登録しており、その追っかけも一定程度存在するため、それぞれのアイドルごとにコミュニティが作られています。多くは過疎っていたり業者に荒らされたりしていますが、サービス利用者は怪しい業者の存在を承知の上で利用しているため、基本的に自分の目的外のものは全て無視・拒否しながら、追っかけを楽しんでいます。(※ここでは、アイドルの例を出しましたが、実に多様な人がアメーバにはいて、見ていて一番面白いのがアメ村です)

 

はてなの互助会

いい加減、本題に入ります。大変遠回りしましたが、はてなの互助会問題について一言言いたいがためのエントリです。

いい加減何らかの解決策を見出してほしいな、と一利用者としては願っています。

これまで見てきた通り、どのブログサービスにも互助的なサークルはその機能や風土の違いはあれど存在し、はてなブログにもそれに準ずる機能もあるため、それを否定するつもりはありません。

一方で、そのあり方やサービスの趣旨との整合性などを考えると、違和感を感じる部分があります。

 

ブログは、そもそも自分の考えを発信し、また互いに意見を交換しつつ、相互にまた自身の意見を深め、高めあえるものだと思いますので、むしろ互助的に意見をしあうべきです。

また、そんな高尚なものでなくても、日々の雑感を記録する、といった日記的な機能もブログにはあります。それもまた、誰かの日常は他の誰かにとって面白いものになり得るし、ただ淡々と自分の好きなものについて書いていくことも、他の人にとって知らない世界を知る機会になります。

むしろ、そうしたこだわりを持って淡々と長く長く続いたブログに面白みとニッチな世界の深みを感じるわけです。

 

互助的なブックマークでそうした面白いブログを発見し、共有できれば何の問題も無いのですが、そうした本来的な使われ方がされていないところに問題があるのではないか、と思っています。

 

ソーシャルブックマークとは?

そもそも、ソーシャルブックマークとは何でしょうか。

日本では「はてなブックマーク」くらいしかないので、はてなの定義を引用します。

 後でもう一度見たいページを保存しておくブラウザの「ブックマーク」。通常コンピュータの中に保存されて他の人の目には触れられることがないブックマークですが、これをウェブで公開し共有する(中略)のがソーシャルブックマークサービスです。

はてなブックマークを利用することで、ウェブ上の一つ一つの情報をより深く消化することができるようになり、また有用な情報をより少ない時間で見つけることができるようになります。

より具体的には、はてなブックマークは以下のように利用することができます。

  • ウェブがあればいつでもアクセスできる、個人用のオンラインブックマークツールとして利用できます。
  • ブックマークを公開できるので、はてなブックマークのユーザー同士で話題/感想を共有するコミュニティとして利用できます。
  • 旬なニュース、面白いネタ、役に立つ情報を見つけるためのメディア、情報源として利用できます。

はてなブックマークとは - はてなブックマークヘルプ

 

はてなブックマーク」はこれらの機能を三つの特徴として分類しています。

  • 保存と検索
  • 共有
  • 発見

もう知ってるよ、という方が大半だと思いますが、とりわけソーシャルサービスとして重要な機能が、「共有」と「発見」かと思います。

 

互助会が脅かすものは何か?

で、肝心の「互助会」です。誰が言いだしたのか知りませんが、人口に膾炙され、定着しつつある単語なのでそのまま使用します。

本来的な互助会の意味については下記のブログが詳しそうです。

d.hatena.ne.jp

(※この方の新しいブログもはてなです。サービス内で自分の作った単語が、こんなに盛り上がってるのに何故言及しないんでしょうか?)

いつから互助会的な仕組みが出来上がったのかは分かりませんが、おそらく他のSNSやサロン、オフ会等を通じて自然発生的に大きくなっていったものと思われます。

はてなブログが内部構造的にSEOに優れているという点、はてなブックマーク機能に有利に働き、人の目に触れやすいという点、等からはてなブログを薦めるアフィリエイトサイトも多くあります。

「ブログ飯」が珍しくない今、ネットでのつながりも多角的に、リアルの交流も積極的に行うことがバズるためには不可欠、というのはおそらくどの指南書にも書いてある、あるいは初心者でも心得ていることなんでしょう。

 

とにかく、定義はあいまいでその規模も実態もおそらく正確には把握できないと思いますが、その特徴はいくつか挙げることができます。

  • ここ数年でブログを始めた初心者が多い
  • はてブコメントの多くが、参考になります!といったものや、私信(いいですね~、●●さんらしいですね~、など)が多い
  • 記事が更新されるたびに必ずブックマークする

といったところでしょうか。

(※記事の面白さは人それぞれなので問いません)

 

で、私が懸念し違和感を覚えるのは、特徴の二つ目と三つめです。

この中身の無いコメントと毎度のブックマークによって、ソーシャルブックマークの「共有」と「発見」という機能が損なわれるからです。

 

本当にブックマークしたくてしてるのか?

同じブログの筆者が毎回唸らせるような面白い記事を書くのはまず不可能です。

かなり以前の内田樹氏や安全ちゃん等がそうだったかもしれませんが(あるいは今の隊長)、ブログを始めたばかりの人がそう毎回ホームランを打つことはよほど文才に恵まれていない限り難しいのでは、と思っています。もちろん文才に恵まれた人もいると思いますが、そんな人でも毎回ホームランは打てないでしょう。

そのため、記事が更新されるたびに同じ人たちが、毎度ブックマークを相互にする、というのは共有・発見というブックマークの本来の特徴からすると不自然な行為です。保存・検索という意味でも、本当に後で探して読み返すでしょうか。

また、面白さを他の人に知ってもらいたい、あるいは共有したいという思いがあるのであれば、そのブログ記事の何に魅力を感じたのか、特筆すべき箇所(引用したい箇所)はどこか、あるいはどこが批判されるべきところなのか、といったことを書いてほしいな、と思います。

もちろんコメントもせずブックマークする方も多いし、サービスの使い方はそれぞれです。

ただ、それって本当に他の人にも読んでもらいたいと思っているんですか?どんな意図をもってコメントしてるんですか?と言いたくなります。意思を持たないブックマーク行為が、ボットやスパムのそれと何が違うのか、私には理解できません。

 

当然、毎回同じようなブログが同じようにアルゴリズムによって上位に表示されれば、本当に面白い記事、ニッチな世界の読まれるべき記事の発見が困難になることも十分考えられます。

 

個人的に「はてなブックマーク」の好きなところは、良質な記事には良質なコメントが集まる、あるいは悪質な記事には良質な批判コメントが集まる、ところだと思っています。

何が良質で何が悪質か、はここでは問いませんが、一般に良記事と言われるもの、炎上記事と言われるものは、感覚的にそれぞれ判断できるのでは、と思います。またその判断の一助となるのがコメントです。

 

経験上、一定数ブックマークのある記事にコメントが全く無ければ、スパムかエロ記事かな、と判断できます。

また、コメントを見ても内輪で盛り上がっている(これに関しては新参とか古参とか関係なく)とか、中身のないコメントばかり、だと「あぁ互助会か・・・」と思ってしまいます。

 

ブックマークコメントから学べることもたくさんあり、コメントによって記事の正誤が判断できることもあります。その点が「はてなブックマーク」がサービスとして価値を発揮できる最たるものであり、多くの人がこれまで利用し続けた所以ではないかと思います。

 

以上のことから、慣れあいのコメントを繰り返すだけの互助的なブックマーク活動ははてなブックマークサービスの価値を毀損させる危険性をもつものだと解釈しています。

なので、できれば今のやり方はあまりしてほしくないのが本音です。個人の感想なので、強要しているものではありませんし、強要できる立場にもありません。

ただ、成員の自浄作用が働くのが村社会でもあると思うので、一成員として意見を述べています。

 

もっと発展性のある互助を

こんな話に、代案を出せ、という人はいないとは思いますが、締めとして「もっと有益で発展的な意見を言い合える互助活動はできないでしょうか?」という提案だけしたいです。

他人の記事を読んでいて、合点がいくことばかりではないと思います。その人に対するアドバイスがそのコメントを読んだ人のためになることもあります。あるいは、間違っている(と感じる)点は、村人どうし指摘しあって批判してもいいと思います。

それは手斧ではなく、ただの意見です。顔も知らない(はずの)誰かのコメントなので、あまり気にしないでください。そして、私信はブログ内のコメント欄で十分でしょう。

はてな」は殺伐としている、と言われる人もいますが、他のどのサービスよりもまっとうに意見できる場だと思っています。

ブロゴスなんかは、もっと殺伐としているし、ヤフーなんて不良のたまり場です。アメーバは業者のボットが巡回し、怪しい個人事業主が唐突に友人申請してきます。instagramには自己顕示欲というモンスターが住んでいて、Facebookはしがらみばかりでもはや機能していません。

 

リアルでも、こうした意見を言い合うのは非常に難しいことです。自治会を運営していたときは、それまで全然知らなかったものどうし、異なる意見をぶつけたりするようにできるまでにほぼ1年かかりました。

会議では誰も反対しなかったけど、よくよく後で個人的に聞くとじつは不満があった、みたいなことは会社でもよくあるのでは?

それいいですね、ということは簡単ですし、黙っていることも簡単ですが、それってどうなの?と自分の素直な疑問をぶつけることは、自分の無知をさらけ出すことになるかもしれないし、いい方によっては相手を傷つけることになるかもしれない。誰もが見られる場でそうして発言することはより難しいものだと思います。

でも、そうやってお互いが理解を深めていったほうが、いい関係が生まれると思います。

 

いろいろ思うところを適当に吐き出しましたが、今後も良い価値を提供してくれるサービスであってくれたらうれしいです。

以上です。

 

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(※この記事はスタバで書かれたものではありません)