京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

ぼくらが主夫になる理由

またどこかで聞いたことのあるフレーズですね。

ぼくらが旅に出る理由

ぼくらが旅に出る理由

 

 ぼくらが主夫になる理由

主夫の皆さん、どんな理由で主夫になるんでしょうか?

今まで、ファザーリングジャパン(以下、FJ)のイベントやオンラインサロン等で、いろいろな主夫の方に出会ってきました。

 

そうした方の多くが(私含めて)、ネット上で自身のことを発信されているので、そのいくつかを紹介してみたいと思います。

(※特に許可は取っていないですが、ネット記事からの引用だし、皆そこらじゅうで喋ってるし、いいですよね?)

 

1.タイゾーさんの場合

toyokeizai.net

東大卒の主夫として有名な堀込泰三さん。現在は、主に翻訳業やライターなどをしているそうです。また、FJの活動も精力的に参加されています。とても物腰柔らかで理知的な落ち着いた方です。

そんな堀込さんが主夫になった理由は。

泰三さんが主夫になったきっかけは、実苗さん(※妻)の海外赴任だ。博士研究員としてスタンフォード大学のあるアメリカ・カリフォルニアに行くことになった。当時、会社員だった泰三さんは、迷わず育児休業を取得して家族そろって渡米することにした。ところが実苗さんのアメリカ滞在が当初予定より長引き、泰三さんの育休期間が終わってしまった。

仕方なく、いったんは帰国し仕事に復帰したものの、家族と離れて暮らす寂しさに耐えかねて退職を決意。主夫となって再渡米した。

とのことです。

奥さんの海外転勤がきっかけ、とはいうものの、子どもと一緒に長く過ごしたいという思いが強かったことが大きなその理由だそうです。

 

子育て主夫青春物語「東大卒」より家族が大事

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2.ぶみさんの場合

kengyoshuhu.blog.fc2.com

「子育て主夫男子の日常」というブログを書かれている「ぶみさん」こと吉田さん。

非常勤講師との兼業主夫をされています。見るからに知的な方です。

大学院のときに結婚して僕のほうが時間があったので、自然と家事の分担が多くなり、そこから徐々に増えていったという経緯です。

ママ友接待の無茶ぶり? 親の反応は?──「男は仕事、女は家庭」を覆す主夫の本音 | サイボウズ式

学生時代に結婚したという経緯から自然と役割分担ができていた、という感じですね。

 

3.しゅうちゃんの場合

ameblo.jp

金髪が特徴的な「しゅうちゃん」こと佐久間さん。髪の色を変えたのも「主夫」になるための決意なのだとか。とても明るく優しいお人柄です。

18年前、結婚して半年のときに難病が発覚して働けなくなり、妻から「わたしが働くから、家で家事のほうをやってくれ」というオトコギのある発言がありまして、そのまま主夫になりました。 

 佐久間さんの場合は、病気によるものですね。出会った主夫のなかで一番多かった理由が、この「ご自身の病気」でした。

 

4.村上さんの場合

とてもリア充感が漂う村上さん。グラフィックデザイナ-との兼業で主夫をされているほか、FJの理事もされています。とても調整力の高い優秀な方です。

村上 誠 | NPO法人ファザーリング・ジャパンNPO法人ファザーリング・ジャパン

私は同居していた実母が倒れて要介護になったのがきっかけです。当時僕はフリーランスで、妻は企業勤めだったので、母の扶養を妻側に入れてもらったほうがコスト的によかったのと、僕も実親の介護をしたかったので、ワークダウンして主夫になりました。

親族の介護、というのもワークシフトのきっかけになりますね。実際、動きやすいほうが動く、というのは非常に合理的な判断です。

 

5.ムーチョさんの場合

4コマ漫画で主夫の日常を描く漫画家兼シュフのムーチョさん。

ムーチョさんの運営されているオンラインサロン『家事研究部』で、私もお世話になっております。

www.katarue.com

ムーチョさんも就職後に、体調不良により退職とのこと。

ちょうど子どもが生まれるタイミングだったので、夫婦で話し合った結果、妻が働き、僕が家で子どものお世話をするというライフスタイルになりました。

ムーチョ on Strikingly

 とのことです。

いまでは、あまり漫画で育児を描くことも珍しくないですが、ムーチョさんはかなり以前から活動されている方の一人。主夫歴も、その仕事ぶりも見事で、twitter等での発言も鋭くフォローしていて面白い方です。

 

6.和田さんの場合

ファザーリングジャパン関西の理事をされている和田さん。得意技はマジック。

fjkansai.jp

和田さん、住んでいる場所も近いので、何度もお話したことあるはずですが、主夫になった理由は明確にはネットに書いていませんね。

ただ、プロフィールとしては、

元TVカメラマン。

娘(長女)の誕生を機に主夫となり保育士資格を取得。

 です。とても大変なお仕事をされていて、奥さんも看護師。様々な選択肢のなかから、和田さんが主夫になる、を選んだようです。

夫婦で話し合った結果の、とても良いワークシフトだと思います。

また、保育士資格を取られているところもさすがです。私も頑張ります・・。

 

7.竹永さんの場合

アメリカで「nyunuts」という独自メディアを配信したり、アメリカの主夫視点でtwitter等でも様々な発信をされている竹永さん。

twitter.com

竹永さんの主夫になった理由は・・、いろいろということですが、「私のほうが向いていたから」とのことがあるようです。奥さんがあまり家事をしない方らしいですね・・。たまに(よく?)愚痴をこぼしておられます。

NYに住んでも幸せになれない―ニューヨーク病を超えて

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8.杉山さんの場合

放送作家をしながら、主夫も務める兼業主夫です。放送作家とかカッコいい!とてもお洒落な人です。娘さんがパパ好きなのも良く分かります。

 ↓のような本も出されていて、面白いらしいです(読んでません)。

コミックエッセイ 新ニッポンの父ちゃん ~兼業主夫ですが、なにか?~

コミックエッセイ 新ニッポンの父ちゃん ~兼業主夫ですが、なにか?~

 

 杉山さんも夫婦共働きで働いていたそうですが、長女が保育園に通い始めたころに、仕事を減らし、兼業主夫になったようです。奥さんではなく自分が仕事を減らす。とても立派に聞こえてしまうので照れ隠しなのかマジなのか分かりませんが、離婚を考えていて、離婚したときに男性が不利になるケースが多いので育児の実績を稼いでおこうと思ったとか。まあ、そんなのもありですよね。

(参考)兼業主夫×キャリアウーマン。常識に囚われない子育てをするコツとは - withnews(ウィズニュース)

 

まとめ

当然ですが、皆さんそれぞれの事情のなかで、それぞれの選択をして、主夫になっています。

 

人生の様々な分岐点のなかで、「主夫」という選択をすることは、決して安易なことではなく、やむにやまれぬ事情でそうした選択をせざるを得なかった人もいます。

しかし、多くの専業主婦もやはり同様にやむにやまれぬ事情でその選択を行う方も多く、ただそれまでのジェンダー観によってその事情が見過ごされてきただけなのではないかとも感じます。

 

ここで紹介した男性の主夫の多くは、ブログやメディアで精力的に発信をしています。

主夫はマイノリティだからこそ誤解されやすい存在でもあり、その役割やライフスタイルの発信が必要だと考えているのだと思います。

 

その人、その家族の生活があって、その生活をうまくやっていくためにそれぞれの家庭にあった役割分担をする、という当たり前のことがともすると「価値観」「常識」だけで見えなくなってしまうことがあります。

「ぼくらが主夫になる理由」をここで紹介したかったのは、そうした当たり前のことを考えて主夫になったんだ、ということを分かってもらいたかったからかもしれません。

 

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あ、ちなみに私は、鬱になって会社辞めて、主夫になりました。鬱なのに主夫の仕事をちゃんとできてるかと言われれば、できていないことも多いです。ごめんなさい。

ここに紹介している主夫の人たちは本当に「デキる主夫」ばかりなので、私みたいにもっとだらしない主夫の方、大歓迎です。