地域と子育て-京大卒の主夫

京大は出たけれど、家庭に入った主夫の話

他の誰の人生も変えない、私の人生を変えたはずの10冊

私にとって、大いに影響を与えてくれた本であっても、他人には何の役にも立たない紙の塊だったりする。

 

誰かが作ったオススメ本のリストを見るたびにそう思います。

toianna.hatenablog.com

例えば、こんなのです。(※個人的には好きな記事です)

 

じゃあ、なんで皆オススメ本をまとめたくなり、またそれらが人気なのかといえば、その本たちが、その人のことを表しているからです。

(※アフィリエイトキラーコンテンツとしての機能はここでは無視します)

 

こんなことを言うのはたぶん内田樹だったと思う、「その人の本棚を見れば、その人の頭の中が分かる」と。

その本棚から、さらに厳選したリストなのだから、それはもうこれが私です、と言って差し支えないものですね。

 

 

ということで、自己紹介を兼ねて、私の人生に影響を与えた本たちを10冊紹介します。

もし、このなかであなたの人生にも少なからず影響を与えた本があれば、あなたと私はどこか似ているところがあるのかもしれません。

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(※京都Lenにて撮影 いいとこです) 

 

1.ゆっくりとさよならをとなえる

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)

 

 川上弘美の本は、殆ど読んでいます。独特の文章の間が好きで、高校生くらいからこんな風に文章を書きたい、と思いながらいつまでも書けずにいます。

魅力あるダメ男を描き続けている川上さんだけど、確実にそのダメ男に近づいている自分がいることを最近自覚しています。

 

彼女のどの本も何度も読み返しているけれど、疲れたとき、迷ったとき、病んでいるとき、カバンに忍ばせて電車で読んでいるのはいつも、この本です。

落ち着いた佇まいの文体で、てらいなく書かれたエッセイ。ひとつひとつの丁寧な表現が、日常のなかにある些細な喜びを掬い取ってくれている。何か、特別な言葉が書いてあるわけではなく、ただ読んでいるだけで心が落ち着く一冊なのです。

 

2.旅をする木 

旅をする木 (文春文庫)

旅をする木 (文春文庫)

 

 バックパッカーのあいだでは、まるで聖書のように扱われるほど、絶大な人気を誇る星野道夫さんのこの本。アラスカにわたり現地の人と交流しながら写真を撮り続けた星野さん。彼の文体はただただ、優しい。その優しさに、本当に何度も救われています。

疲れたときは必ず次の一節を思い返します。

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがえのないその時間である。(中略)

何も生み出すことのない、ただ流れてゆく時を、大切にしたい。あわただしい、人間の日々の営みと並行して、もうひとつの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい。(p.231) 

 

3.カタツムリが食べる音

カタツムリが食べる音

カタツムリが食べる音

 

これは、鬱になってずっと布団にもぐっていたときに出会った、比較的新しい本です。

難病にかかり、ほとんど動けなくなった著者が、ベッドサイドで飼っていたカタツムリを観察します。人の生活のスピードについていくことができなくなった著者にとって、カタツムリは自分と同じゆっくりとした時間の中に生きる、同士でした。

 カタツムリの世界が身近になるのと反比例して、人間の世界はしだいに縁遠くなった。わたしと同類の人間たちの体はあまりに大きく、その行動はあまりにせわしなく、唐突だった。(p.48)

 

そんなカタツムリのことを観察し、調べ、淡々と綴っていく著者。

学術的な意義ももちろんない、観察記だけど、カタツムリと同じリズムとスピードで生活する著者の文体が、病んだ人の心にもちょうどよく流れてきます。

ただカタツムリが這った後を眺めるように、その淡々と綴られた文章を追っていくだけで、この本は十分面白いのです。

 

4.都市を飼い慣らす 

都市を飼い慣らす―アフリカの都市人類学

都市を飼い慣らす―アフリカの都市人類学

 

 大学時代の恩師の本。

不出来な学生だったけど、とてもかわいがってくれた先生でした。非常にコミュニケーションに優れた物腰柔らかい研究者で、無知な学生に、鋭く的確にその知を分け与えてくれました。

 

『都市を飼い慣らす』はアフリカの村落でのフィールドワークがもとになっています。

都市の周縁で暮らす彼らは、ときに都市へと出稼ぎに出る。一般的な「中央と周縁」という文脈で語られれば、それは周縁の労働力の搾取であるが、彼らの生活にそうした見地は何の意味も持たない。彼らは、都市を利用し、都市で狩猟をし、都市を飼っているのだ。搾取された労働力、というかわいそうな存在ではなく、リアルな「生活者」としての彼らはもっとずっと逞しく生き生きとその日々を楽しんでいる。

 

先生は、このように相対化された視点で見ることを徹底して教えてくれました。労働、地域、格差、マイノリティ、ジェンダー、どんな問題を考えるときでも、必ず念頭に置くようにしています。

 

4.パサージュ論

パサージュ論 (岩波現代文庫)

パサージュ論 (岩波現代文庫)

 

人の、なんでもない日常や風景を切り取った断片を見るのが好きだ。

パサージュ論は、ベンヤミンが当時、街を歩き、書物を読み、それらを切り取っていったものをまとめた膨大なコレクション集。これが、本当に面白い。

大きな歴史の流れや、後々まで語られる大きな物語では掬い取ることのできない、小さな日常の暮らしを読み取っていくことで、それまで語られてきたこととの違いや当事者視点での歴史的な意義が見えてくることがある。ライフヒストリー研究はその代表かもしれないが、それに限らずこうした些細な情報を収集し組み立てることのできる面白さは、全ての文化研究に通じるものがあります。

 

 5.文明化の過程

文明化の過程〈上〉ヨーロッパ上流階層の風俗の変遷 (叢書・ウニベルシタス)

文明化の過程〈上〉ヨーロッパ上流階層の風俗の変遷 (叢書・ウニベルシタス)

 

社会学を学んだ人間として、好きな社会学者を挙げてくれ、と言われたら、たぶんこの人を挙げます。

太い本で、論点は多岐にわたりますので、代表的な紹介だけ。

彼は西洋の文明化を捉えるうえで上流階級のテーブルマナーや作法の変遷に着目し、徐々にマナーが厳しくなるにつれて、暴力性が排除され(ナイフを体に向けない、丸焼きの鶏は裏で切られて皿に盛られる等)消えていく(文明化)過程を捉え、その自己抑制と暴力性の転換を論じています。

暴力は消えたのではなく、文明の中に内包されているからこそ、階級間の闘争が起きたり、戦争が繰り返されてしまう。第二次大戦中に書かれたこの著書は、「暴力性」をマクロにもミクロにも捉えようとしています。広くは国家(中央)に集中した権力にその暴力性が見られますが、日常の中にも見えない暴力が存在し、それが表面化したとき普段私たちが意識していない文明人としてのやや傲慢な自意識が現れます。

以前、ウサギを狩って炎上した女性がいたけれど(今も糸島で元気そうですが)、そのときこのエリアスの論が思い浮かびました。途端に暴力性を見せられたときの反応、上品さと引き換えに失ったもののこと等、いろいろと考えるべきことが現代においてもたくさんあります。

 

6.楢山節考

楢山節考 (新潮文庫)

楢山節考 (新潮文庫)

 

深沢七郎が好きなのは、川上弘美の影響から。この楢山節考は、端的に姨捨山の話です。

婆さんには捨てられる覚悟はできている。気丈で、しっかりした婆さんだ。ダメなのはその息子のひ弱さだ。それでも婆さんを背負って山に登らなければならない息子に焦点をあてて、その苦悩を描いている。

「弱さ」は人の物語において最も重要なものです。その弱さによって、感情が揺れ動き、読む人は共感し、感動が与えられる。人の心の弱さは、今も昔も変わらないから、昔の名作は今も名作なのだと思います。

50年前に書かれた創作小説とはいえ、実際にあった因習がもとになっているものと思われます。そして、決して古いおとぎ話とも言い切れなくなった現代の介護事情をどうしても思わざるをえない小説です。

様々な人の感情が入り混じる家族・介護・福祉といった問題。単純に筋道通った正論だけでは解決しきれない問題をとらえるとき、こうした人の弱さと強さを知り、寄り添うことが実学的には何に役にも立たない文学の存在意義だと思っています。

 

7.モモ

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

 

 この本をこういうリストに挙げると「女子か」と言われてしまう。まあ、女子で構わないです。

本を読まない幼少期をすごしたので、読んだのは大学生になってから。自分の中での「なんとなく働きたくない」感情はここでしっかりと培われています。あれは、時間どろぼうだ。会社にいたあいつらは、きっと灰色の…(略)

ここまでの記述で、そりゃこいつ主夫にもなるわな、と思ったあなたはたぶん、正しいです。

 

8.僕は勉強ができない

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

 

 今さら山田詠美か、と思うかもしれませんが、思春期まっさかりの中学生の頃に読んだ本です。おかげで、見事にこじらせましたよ。

文学少年的には、ひねくれた環境の中で育つ、ひねくれた主人公に心惹かれたのは間違いありません。

そうして勉強はできたけど、仕事は好きになれませんでした。

こうやって自分のルーツを遡っていると、このあたりに根源的なものがありそうですね。

 

9.ノルウェイの森

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

 

出た、村上春樹と、嫌いな方はそっ閉しても構いません。これも中学生のときに影響を受けた本の一つだから、仕方がありません。

村上春樹の小説は、ちょっと背伸びしたい年ごろの中学生を本好きにさせるのに、十分なものでした。あるいは、田舎者の中学生にとって都会への憧れを感じさせるようなものでもありました。

また当時、男子の間で回っていたアダルトビデオを借りる勇気もなく、その輪に入れなかった私に、性的な表現やその意味を教えてくれたのも村上春樹でした。

そうしたものを含め、ちょっと背伸びをしてみたい年ごろに読んだのは、とても良かったのだと思いたいところです。

 

10.ダイの大冒険

小学生が一番影響を受けるのは、ゲームかマンガです。ここで気取って児童文学なんて紹介しません。

まだ読んでない人、いますぐまとめ買いしてください。

ダイの大冒険というタイトルですが、この物語一番の主役はポップという普通の弱っちい男の子です。ポップに関しては、私に限らず多くの人の生き方に影響を与えているのではないでしょうか。ポップは多くの人に勇気を与えているヒーローです。

 

 

以上です。

主夫全く関係ない内容ですが、少なからず今の生活にもつながっているのかもしれません。一つ言えることは、本に影響されているとろくな人間にならない、ということです。

 

一度書いてみたかった、自己満足な記事でした。すみません。

意識低い系の主夫

少し、もやもやを綴ります。

 

皆さんは意識高い系ですか?私は低い系です。

 

偉そうにこんなブログを書きながら、うつ病の療養中って言って甘えて、低気圧になったらふとんに籠るし、家事もサボるし、ネットサーフィンもします。

 

子どもの育児も、iPadで「しまじろう」見せたり、いろんなアプリで好きに遊んでもらってたり、twitter片手にプリキュア見たり。

(※このアプリ、おすすめです。お金かかるけど) 

 

でも、「主夫」って名乗っている以上、「なんか意識高くないといけない」気がするんですよね。

その意識高くないといけない、みたいなプレッシャーは専業主婦の方もやはり同様に感じているでしょう。

 

単純に「稼ぎ」が無い。そのことが、せめて家事はしっかりやらないと、という気持ちに結びつきます。

そりゃ当たり前だろ、それが主夫の仕事なんだから、という意見もその通りです。

 

でも、誰だって楽がしたい。

ワークライフバランスの整った生活がしたい。

 

意識の高い主夫の方々、本当に尊敬していますし、全く否定しませんが、「こいつらワーカホリックだ」と思う節があります。

 

ファザーリングジャパンという「Fathering=父親であることを楽しもう」という非常に意識の高い理念をもったNPO法人があります。

NPO法人ファザーリング・ジャパン | 笑っている父親になろう! 父親の育児・家事・夫婦関係・子育て・働き方を支援します。

私も会員なので、その関西支部の方、本部役員の方、スピンオフで結成されたという「主夫の友」の方、さまざまな父親業の人と知り合う機会があります。

皆さん総じてアクティブで有能、優秀な方が多く、バリバリ働いて、バリバリ父親をやっています。

前回のエントリでも紹介しましたが、地域活動をはじめNPOの活動も積極的に行い、情報発信している主夫の方もいます。

 

FJの活動はとても賛同しているのですが、その活動の輪に入っていくのにしんどさ、辛さを感じるときがあります。

意識高い」というかリア充さに嫌悪感があるのかもしれません。

なかなかその「リア充」の集まりに入っていくことができず、私は一人こうしてブログを更新しています。

 

父親であること」が「家庭での仕事」という位置づけになっていて、ワークライフバランス」なんて言葉はあるけれど、「ワークワークバランス」になっていないか?と思うことがあります。

それは、共働き家庭の母親にも同様に言えることです。

家でも会社でも「仕事」をして、燃え尽きてしまう。本当の「ライフ」はどこにあるのか?

 

一度も読んだことないけど、母のライフはもうゼロ~みたいなタイトルのブログがあります。

このタイトルが、上記の状況のことを示していて「私のライフはどこ?」という意味合いだとしたら非常に秀逸だなあと思っています。(たぶん、ただの遊戯王のパクリですが)

 

このもやもやは「仕事」をどのようにとらえるのかというところから、考えるべきなのかもしれません。

 

で、いま下記の本を読んでいます。

仕事の人類学―労働中心主義の向こうへ

仕事の人類学―労働中心主義の向こうへ

 

(※4000円するので、図書館で借りることをオススメします) 

 

「仕事」と「仕事でないもの」の境界はなにか。 

それらは本来区別されるものなのか。

そんな問題意識から人類学の視点で、労働を捉え直しています。

 

面白いのは、人類学の本らしく、労働が概念化された文化・文明以外の調査レポートが豊富で、通常、仕事や労働の概念では語られない一連の営みについて目が向けられていることです。

また、女性の執筆者が多いからなのか、かなりジェンダー視点を含んだ内容となっており、「(男性を含む)家庭での仕事」についても多く言及されています。

「仕事」を明確に区別し、そこに価値を見出す世界で生きていると、見えなくなる価値観や世界観に触れることができます。

 

 

話を戻します。

 

主夫をしていると、「仕事」は生活の延長上、あるいはその一部としてつながったものとして存在しています。

 

様々な断片的な仕事の合間、そのさなかに、twitterを眺めたり、昼のワイドショーを見たり、買い物ついでにおやつを買ったり。

非効率的なようで、毎日続く生活である以上、そのなかに溶け込ませてしまったほうがラクなこともあります。

 

あるいは、幼稚園や保育園の帰り、ママたちが集まっておしゃべりをしているのは、本当にだらだらとおしゃべりしているだけの「遊び」なのか、それとも地域社会で生き抜くための情報戦であり、高度な政治的判断を伴う「仕事」なのか。

 

「仕事」をしているのか、遊んでいるのか、客観的に見たときによく分からない。

そんなことも主夫をしているとよくあります。

 

かと言って、全てを「仕事」として捉えると息が詰まるなぁと思っています。「仕事」ってなんか面倒じゃないですか。

 

「主夫」として頑張っていないと。「イクメン」として頑張っていないと。ってなんでも頑張らせるのも一周回ってみると疲れてきます。

「輝く女性」みたいなもんですね。誰もがキラキラした世界なんて、僕は嫌です。

 

旅するように暮らしたい。遊ぶように仕事がしたい。死ぬように生きていたい。

意識低い系の主夫でありたい。

 

そんなことを意識して、主夫しています。

 

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(※ダイソーで買った200円のボックスです。図書館で借りた本を入れています)

ぼくらが主夫になる理由

またどこかで聞いたことのあるフレーズですね。

ぼくらが旅に出る理由

ぼくらが旅に出る理由

 

 ぼくらが主夫になる理由

主夫の皆さん、どんな理由で主夫になるんでしょうか?

今まで、ファザーリングジャパン(以下、FJ)のイベントやオンラインサロン等で、いろいろな主夫の方に出会ってきました。

 

そうした方の多くが(私含めて)、ネット上で自身のことを発信されているので、そのいくつかを紹介してみたいと思います。

(※特に許可は取っていないですが、ネット記事からの引用だし、皆そこらじゅうで喋ってるし、いいですよね?)

 

1.タイゾーさんの場合

toyokeizai.net

東大卒の主夫として有名な堀込泰三さん。現在は、主に翻訳業やライターなどをしているそうです。また、FJの活動も精力的に参加されています。とても物腰柔らかで理知的な落ち着いた方です。

そんな堀込さんが主夫になった理由は。

泰三さんが主夫になったきっかけは、実苗さん(※妻)の海外赴任だ。博士研究員としてスタンフォード大学のあるアメリカ・カリフォルニアに行くことになった。当時、会社員だった泰三さんは、迷わず育児休業を取得して家族そろって渡米することにした。ところが実苗さんのアメリカ滞在が当初予定より長引き、泰三さんの育休期間が終わってしまった。

仕方なく、いったんは帰国し仕事に復帰したものの、家族と離れて暮らす寂しさに耐えかねて退職を決意。主夫となって再渡米した。

とのことです。

奥さんの海外転勤がきっかけ、とはいうものの、子どもと一緒に長く過ごしたいという思いが強かったことが大きなその理由だそうです。

 

子育て主夫青春物語「東大卒」より家族が大事

子育て主夫青春物語「東大卒」より家族が大事

 

 

2.ぶみさんの場合

kengyoshuhu.blog.fc2.com

「子育て主夫男子の日常」というブログを書かれている「ぶみさん」こと吉田さん。

非常勤講師との兼業主夫をされています。見るからに知的な方です。

大学院のときに結婚して僕のほうが時間があったので、自然と家事の分担が多くなり、そこから徐々に増えていったという経緯です。

ママ友接待の無茶ぶり? 親の反応は?──「男は仕事、女は家庭」を覆す主夫の本音 | サイボウズ式

学生時代に結婚したという経緯から自然と役割分担ができていた、という感じですね。

 

3.しゅうちゃんの場合

ameblo.jp

金髪が特徴的な「しゅうちゃん」こと佐久間さん。髪の色を変えたのも「主夫」になるための決意なのだとか。とても明るく優しいお人柄です。

18年前、結婚して半年のときに難病が発覚して働けなくなり、妻から「わたしが働くから、家で家事のほうをやってくれ」というオトコギのある発言がありまして、そのまま主夫になりました。 

 佐久間さんの場合は、病気によるものですね。出会った主夫のなかで一番多かった理由が、この「ご自身の病気」でした。

 

4.村上さんの場合

とてもリア充感が漂う村上さん。グラフィックデザイナ-との兼業で主夫をされているほか、FJの理事もされています。とても調整力の高い優秀な方です。

村上 誠 | NPO法人ファザーリング・ジャパンNPO法人ファザーリング・ジャパン

私は同居していた実母が倒れて要介護になったのがきっかけです。当時僕はフリーランスで、妻は企業勤めだったので、母の扶養を妻側に入れてもらったほうがコスト的によかったのと、僕も実親の介護をしたかったので、ワークダウンして主夫になりました。

親族の介護、というのもワークシフトのきっかけになりますね。実際、動きやすいほうが動く、というのは非常に合理的な判断です。

 

5.ムーチョさんの場合

4コマ漫画で主夫の日常を描く漫画家兼シュフのムーチョさん。

ムーチョさんの運営されているオンラインサロン『家事研究部』で、私もお世話になっております。

www.katarue.com

ムーチョさんも就職後に、体調不良により退職とのこと。

ちょうど子どもが生まれるタイミングだったので、夫婦で話し合った結果、妻が働き、僕が家で子どものお世話をするというライフスタイルになりました。

ムーチョ on Strikingly

 とのことです。

いまでは、あまり漫画で育児を描くことも珍しくないですが、ムーチョさんはかなり以前から活動されている方の一人。主夫歴も、その仕事ぶりも見事で、twitter等での発言も鋭くフォローしていて面白い方です。

 

6.和田さんの場合

ファザーリングジャパン関西の理事をされている和田さん。得意技はマジック。

fjkansai.jp

和田さん、住んでいる場所も近いので、何度もお話したことあるはずですが、主夫になった理由は明確にはネットに書いていませんね。

ただ、プロフィールとしては、

元TVカメラマン。

娘(長女)の誕生を機に主夫となり保育士資格を取得。

 です。とても大変なお仕事をされていて、奥さんも看護師。様々な選択肢のなかから、和田さんが主夫になる、を選んだようです。

夫婦で話し合った結果の、とても良いワークシフトだと思います。

また、保育士資格を取られているところもさすがです。私も頑張ります・・。

 

7.竹永さんの場合

アメリカで「nyunuts」という独自メディアを配信したり、アメリカの主夫視点でtwitter等でも様々な発信をされている竹永さん。

twitter.com

竹永さんの主夫になった理由は・・、いろいろということですが、「私のほうが向いていたから」とのことがあるようです。奥さんがあまり家事をしない方らしいですね・・。たまに(よく?)愚痴をこぼしておられます。

NYに住んでも幸せになれない―ニューヨーク病を超えて

NYに住んでも幸せになれない―ニューヨーク病を超えて

 

 

8.杉山さんの場合

放送作家をしながら、主夫も務める兼業主夫です。放送作家とかカッコいい!とてもお洒落な人です。娘さんがパパ好きなのも良く分かります。

 ↓のような本も出されていて、面白いらしいです(読んでません)。

コミックエッセイ 新ニッポンの父ちゃん ~兼業主夫ですが、なにか?~

コミックエッセイ 新ニッポンの父ちゃん ~兼業主夫ですが、なにか?~

 

 杉山さんも夫婦共働きで働いていたそうですが、長女が保育園に通い始めたころに、仕事を減らし、兼業主夫になったようです。奥さんではなく自分が仕事を減らす。とても立派に聞こえてしまうので照れ隠しなのかマジなのか分かりませんが、離婚を考えていて、離婚したときに男性が不利になるケースが多いので育児の実績を稼いでおこうと思ったとか。まあ、そんなのもありですよね。

(参考)兼業主夫×キャリアウーマン。常識に囚われない子育てをするコツとは - withnews(ウィズニュース)

 

まとめ

当然ですが、皆さんそれぞれの事情のなかで、それぞれの選択をして、主夫になっています。

 

人生の様々な分岐点のなかで、「主夫」という選択をすることは、決して安易なことではなく、やむにやまれぬ事情でそうした選択をせざるを得なかった人もいます。

しかし、多くの専業主婦もやはり同様にやむにやまれぬ事情でその選択を行う方も多く、ただそれまでのジェンダー観によってその事情が見過ごされてきただけなのではないかとも感じます。

 

ここで紹介した男性の主夫の多くは、ブログやメディアで精力的に発信をしています。

主夫はマイノリティだからこそ誤解されやすい存在でもあり、その役割やライフスタイルの発信が必要だと考えているのだと思います。

 

その人、その家族の生活があって、その生活をうまくやっていくためにそれぞれの家庭にあった役割分担をする、という当たり前のことがともすると「価値観」「常識」だけで見えなくなってしまうことがあります。

「ぼくらが主夫になる理由」をここで紹介したかったのは、そうした当たり前のことを考えて主夫になったんだ、ということを分かってもらいたかったからかもしれません。

 

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あ、ちなみに私は、鬱になって会社辞めて、主夫になりました。鬱なのに主夫の仕事をちゃんとできてるかと言われれば、できていないことも多いです。ごめんなさい。

ここに紹介している主夫の人たちは本当に「デキる主夫」ばかりなので、私みたいにもっとだらしない主夫の方、大歓迎です。

 

 

 

主夫と健康保険の話。妻の扶養に入るには?

 

「主夫 健康保険」でGoogle検索をされた皆さん、あるいは妻の扶養に入りたいと思っている皆さん、こんにちは。

 

タイトルどおり、主夫と健康保険のいい関係についてお話します。

 

 

「扶養に入る」とは?

奥さんが、フルタイムの正社員として働いている場合、一般に専業主婦の方がダンナさんの扶養に入るのと同じように、専業主夫の方も健康保険の扶養家族に入ることができます。

 

一応、そもそも「扶養に入る」とは?というところを説明します。

 

「扶養に入る」という言葉の扶養には、「所得税の控除対象としての扶養家族(配偶者)」と「健康保険の被保険者の扶養家族(配偶者)」の2種類があります。

 

所得税の控除対象として認められれば、勤めているパートナーが年間に納める所得税の額が控除されます。

控除の条件の代表的なものとして、「年間の所得(収入103万円ー65万円)が38万円以下」が挙げられます。

いわゆる103万円の壁です。

 

一方、健康保険の被扶養者の条件は、「年間収入が130万円未満」であり、これがいわゆる130万円の壁です。

 

それぞれ、区別しなければならない点としては、基本的に収入はその年の1~12月の合計で計算、ただし103万円は年末時点での金額で計算、130万円は年間の収入見込みで判断、となります。

ちょっとややこしいですね。

とりあえず、健康保険の話のみ続けます。

 

※話を分かりやすくするため、ここでは収入要件のみ示しています。

 

主夫が扶養に入る場合の相違点

基本的な手続きや資格要件は、男女関係なく同じです。ところが、男性が配偶者として扶養に入る場合には、提出書類が増えるケースがあります(※加入する健康保険組合によりますが)。

会社等を退職し、配偶者の扶養に入る場合、扶養異動届(妻の会社でもらう)・離職したことが分かるもの(退職時にもらう離職票・退職通知)が必要です。

しかし、男性が扶養に入る場合には「本当に収入が無いことを証明してください」というムチャを言われることがあります。(※労務経験上、女性の扶養加入で言われたことは無いです。)

 

そのために、退職時の源泉徴収票無職証明書(民生委員に依頼)などを追加で添付します。

市役所が作成する課税証明書を提出する場合もありますが、これに関しては記載された所得額が前年度の所得ですので、前年から休職等で働いていない場合のみ有効です。

基本的には、男性が稼ぎ手で、無収入の状況なんておかしい、という古い考えから、こうしたケースがあるようです。

 

主夫と健康診断

健康保険の被保険者は、年に一度健康診断を受けることができます。受けてないって人はぜひ受けてください。何もなければすぐに終わる定期的な健康診断ですが、やはり病気の早期発見には欠かせません。

飲み会が多い、無茶な勤務が多い会社は特に、です。

 

一方、その配偶者は健康診断を受けることができるのでしょうか。健康保険組合によっては、春または秋に婦人健診を実施しているところもあります。基本的には無料で受けられます。

しかし、これ、婦人健診です。男性は受けることができません。

そのため、男性である主夫が健康診断を受ける場合には、自費で病院に全額を支払うことになります。

費用は、検査項目によって異なりますが、相場としては9000円~15000円の間です。

 

これだからマイノリティの主夫は・・・とまとめたいところですが、安心してください。

40歳以上の方であれば、特定健診という健康診断を受けることが可能です。

こちらは、いわゆる「メタボ健診」と呼ばれるもので、生活習慣病のための検査と相談を行います。バリウム飲んだり、とかはありませんが、採血や尿検査等はしてもらえるので、お酒の飲みすぎ食生活の乱れなどの適切な判断は可能です。

これは、無料で受けられる・・・といいのですが、協会けんぽの場合補助の上限額が決められており、1500円程度の自己負担が発生します。その他の健康保険組合では無料のところもあります。

40歳以上になれば、そうした案内が届くはずなので、必ず受けるようにしてください。

 

でも、早くに主夫になった人、私も特定健診の対象年齢まで10年近くあります(毎週、心療内科に通院はしていますが)。

その間、なにも健診を受けないのも不安ですよね。多少、費用を自己負担してでも、受けるべきかな、と思います。

 

扶養に入りづらい?

男性が退職した後、次の仕事がきまっていれば無職期間があっても、妻の扶養に入ることは少ないと思います。

「主夫になる!」と決めて長期間働かないことをあらかじめ固く決意している場合はともかく、多くの人はもしかしたらすぐ働くかもしれないし・・・、と扶養に入ることを躊躇われるかと思います。

「妻の扶養に入る」ことへの抵抗感は、共働きで男女の性別役割が無いといっても、多少なりとも感じてしまって仕方がないものです

実際、主夫どうしの会話のなかで、この話題が上がることはよくあります。 

 

しかし、入らない場合、国民健康保険国民年金の両方を負担するため、それなりにまとまった額を毎月支払うことになります。

世帯収入による減免措置もありますが、これもやはり前年度所得も含めて判断されるため、もともと共働きであった場合などは減免審査が通らないことも多いです。

あまり気にせず、仮に短い期間であっても、入れるものには入っておきましょう。こうした節約も主夫の仕事の一つです。

 

減免申請って?

前年収入から見込み所得が大幅に低下する場合、国民健康保険国民年金・住民税などの支払額を低減することができます。

自治体によって基準が異なるので、またこれも窓口で確認してください。面倒なのが、健保・年金・税のそれぞれで窓口が異なり、それぞれで事情を説明し申請しなければならないところです。

縦割りか!と舌打ちしたくなりますが、あくまで低姿勢でいきましょう。

 

ちなみに、鬱などで保育園なども継続的に通わせる場合は、保育料の延納申請、減額申請も可能です。

特に保育料については、子ども子育て支援法の施行により、前年の住民税の課税額をベース(つまり前々年の収入額!)に、その年の4~8月分の保育料が判断されます。

(※自治体ごとに運用を確認してください)

そのため、減免申請をしなければ、高い負担額が長期間にわたって適用されることとなります。もちろん、こちらから申請しない以上、向こうから打診されることも一切ないので、知識が無ければどうしようもありません。

こちらは比較的通りやすく、通れば申請した月から減免が適用されるため、早めに窓口に相談し、申請することをお勧めします。

あ、もちろんこれは保育課の窓口ですので、お間違いなく。他の窓口では教えてもらえません(というか職員も知らないのでは)。

 

 

とりあえず、こんなところでしょうか。様々な制度が複雑化しており、職務に就いている人も混乱している部分もあると思います。担当者の勘違いなどもよくある世界です。

「すでについていけない、自分で手続き無理、誰か助けて!」という場合、地域の民生委員や福祉委員、場合によっては市議等に助けを求めることも可能です。

私の場合、たまたま市議に相談できて、市役所の会議室にわざわざ課長さんクラスの職員さんが対応してくださるという何とも素敵なことがありましたので、こういうときにも地域のリソースを活用してみてください。

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絵本の探し方

某絵本のエントリが話題になっていたので、絵本のはなしです。

 

※この絵本についての言及はしません。個人的には嫌いな絵本です。

topisyu.hatenablog.com

 

 死について書かれた本については、最近話題のこちらをオススメしておきます。

このあと どうしちゃおう

このあと どうしちゃおう

 

 

さて、エントリの最後に、どうやって絵本を探せばいいか、という話題があるので、そちらを深堀りします。

引用したエントリでは、図書館のほか、絵本ナビと福音館書店の『子どものとも』を挙げています。

 

図書館

私も、まずは図書館を第一にオススメします。

絵本が試し読みできること、無料で借りれること、オススメの絵本を気軽に相談できること、季節に合わせたオススメの絵本が配架されてること、図書館に行く習慣、図書館で過ごす習慣をつけることで読書体験を自然のものにすること、などそのメリットは数え切れません。

 

何より、絵本は多くのものが、丈夫なつくりでフルカラーと単価が高い一方、昔ながらの名作が多く、それらは図書館に溢れているので、改めて新刊本を買う必要性は少ないし、キリがないと思っています。

 

定期購読サービス

絵本ナビも年齢別・テーマ別等にオススメの絵本が紹介されています。

そのほか、ランキングなどもありますが、その機能はあまりオススメしません。理由は例の本のようにベストセラーだからといって、(自分たちにとって)良い本とは限らないからです。

 

こどものとも』も、毎月届く配本サービスですが、そのほかにもさまざまな絵本の定期購読サービスがあります。

クレヨンハウス、絵本ナビなどの購読サービスがその代表的なものですが、これらのサービスを活用するのもアリですし、活用しなくてもそのサービスの選書を参考に、図書館で探して借りるのでもいいと思います。

活用するなら、「こどものとも」が420円/月と安いので、オススメですが。安い理由はハードカバーではないからです。

 

これらの絵本サービスで届けられるものは、それこそ厳選されたオススメの絵本なので、まず間違いないと思います。

www.crayonhouse.co.jp

club.ehonnavi.net

 

絵本の本

自分の読書体験から、私は好きな作家のオススメの本を読み、またそのオススメ本を読みということを繰り返し、大まかな本の系譜をつかんできました。

絵本も同様に、多くを読んでいるとオススメの作家、あるいは出版社などが見つかり、それらの作家のオススメ絵本を読む、というのも面白いと思います。

 

ここのところ、おすすめの絵本について書かれた「絵本の本」が多く出版されています。

絵本に精通した絵本好きの人が書いた本なので、信頼性も高いと思われますし、下記に紹介する本は全てオススメしておきます。

 

絵本といっしょに まっすぐまっすぐ

絵本といっしょに まっすぐまっすぐ

 

京都の絵本屋さん「メリーゴーランド京都」 の店主、鈴木潤さんのブログ記事をまとめた単行本。日常の日記になぞらえて、絵本を紹介されています。メリーゴーランド京都のお店に置かれている絵本のセレクト自体とても素晴らしいのですが、その店主である鈴木さんの薦める絵本ということで、大いに参考にしてよいと思います。

 

絵本のはなし (MOE BOOKS)

絵本のはなし (MOE BOOKS)

 

 個人的に大好きな女優、菊池亜希子さんのエッセイ『絵本のはなし』。この人の書く端的な文化系女子な文章は好きなんですが、絵本の影響も大きいのだと思います。彼女のオススメ絵本が紹介されています。女子ウケがいい選書であることはご了承ください。

 

小さな本の大きな世界

小さな本の大きな世界

 

昨年亡くなられてしまった詩人の長田弘さんですが、 絵本にまつわるエッセイをいくつも残しています。それらを『金曜日の砂糖ちゃん』などの代表作で知られ、独特な雰囲気の絵と文章が特徴な絵本作家、酒井駒子さんの絵とともに、収めています。

 

絵本に魅せられて

絵本に魅せられて

 

こぐまちゃんシリーズや『わたしのワンピース』 などベストセラー絵本を出した「こぐま社」の創業者佐藤英和氏による絵本論です。絵本論なので、絵本の紹介はメインではありませんが、「いい絵本とは?」という視点を得ることは絵本を選ぶ際におおいに参考になるのでは、と思います。

 

上記、全て2016年に出版された本、というのが興味深いところです。なんなんでしょう、今年の各社の絵本推し。

 

定期的にMOEやBRUTUS等の雑誌でオススメ絵本100冊みたいな特集もありますが、商業誌のまとめたようないかにもな選書は結局読まないことも多いんで、こういう各々の思い入れの強い単行本をオススメします。

 

なんにせよ、どんな絵本が子どもにぐっとくるものなのか、大人では分からないことが多いです。

特に0歳~1、2歳向けの絵本なんて、どうしてこれがウケるんだ?!みたいな驚きの絵本がたくさんあります。そうした絵本を自分の感覚だけで探すのは不可能です。

今もド定番な『ぐりとぐら』は1967年の刊行、『はらぺこあおむし』は1969年生まれです。新しい絵本じゃなくても、読み継がれていくのが絵本の世界でもあり、先人の知恵を大いに活用するのが一番です。

 

Amazonのリンクが多くて申し訳ありませんが、どうぞお見逃しください。気になる方はどうぞ別タブから。

 

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(※写真を撮ろうとしたら隠れた娘)

 

※追記

すみません、最後に孫引きですが、『絵本に魅せられて』のなかで佐藤さんがポール・アザールの『本・子ども・大人』の一節を紹介されているのでそちらを少し引用します。

幼い子どもたちは自分でものを食べ、自分で着物を着ることもできないし、また時間をかけて教わらなければなにひとつ作ることもできないが、しかし、いったんこうと決めた以上は実に強情である。

彼らが欲しいのは、まさしくあそこにあるあの本であって、その隣にある本ではない。子どもたちはみんな、その本を欲しがっている。彼らはそれを掴み、握りしめ、それに自分の名前を書き込んで、自分のもの、自分の財産にするのである。

たとえそれが彼らのために書かれた物語でなくても、かまいはしない。そんなことは、彼らにとってどうでもよいことなのだから。

要するに、それが、彼らを魅惑する本であるかどうかが問題なのだ。

 (『絵本に魅せられて』p.12)